香川県議会 > 2014-09-03 >
平成26年9月定例会(第3日) 本文

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  1. 香川県議会 2014-09-03
    平成26年9月定例会(第3日) 本文


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    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    五所野尾  恭  一 君
       山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    西  川  昭  吾 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会委員  川  東  祥  次 君           警察本部長    木  下  慎  哉 君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会委員  東  条  正  幸 君           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第三号)                 平成二十六年十月九日(木)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ─────────────────────────────    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二の規定に基づく報告一件を   受理いたしました。 ◯議長(宮本欣貞君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(宮本欣貞君)日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  山下昭史君。    (山下昭史君登壇、拍手) ◯山下昭史君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問に入らさせていただきます。  その前に、八月に起きた広島市の集中豪雨による大規模な土砂崩れ、また、先月、戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたします。また、突然の災害により、大切な家族が亡くなられた遺族の方々、そして被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げます。  こうした災害による被害を目の当たりにしますと、我々は、身の回りの自然の中で生かされているということを実感いたします。今回の災害も、たまたま私たちに降りかからなかったというだけで、いつ何どき私たちに降りかかる可能性があるというわけです。それだけに、私たちは畏敬の念を持って、そして謙虚に自然と向き合わなければなりません。  その上で、私たちは備えなければなりません。これは防災に限ったことではありません。地域経済や農業、そして現在から未来へつなげるあらゆる面への備えであります。この観点から、私は四点についてお尋ねいたします。  質問の第一は、県内中小企業人手不足対策と支援についてお尋ねします。  日本政策投資銀行の調査によりますと、二〇一三年度の四国地域の全産業の設備投資実績は、前の年のマイナスから転じ、三・九%の増加になりました。さらに、同じ調査の二〇一四年度の設備投資計画では、製造業で一七・九%、非製造業で七・五%と、ともに増加し、全産業でも前年度より一五%と、二桁の伸びが見込まれています。  特に香川県では、データセンターの新設完了の反動による通信・情報関連などを中心に、非製造業が一五・四%の減少とはなっているものの、能力増強や維持更新を行う輸送用機械が牽引する製造業で六一・六%と、大幅な増加となっています。結果、産業全体では二五・二%の増加と、引き続き顕著な伸びを示しています。これは地域経済の回復を示す一端であり、非常に明るい兆しであると思います。安倍政権の取り組みが具体的な形になりつつあるものと考えます。こうした流れを完全に地域に取り込み、香川県民がひとしく景気回復の実感を得られるよう、我々も全力で取り組んでいかなければと考える次第であります。  ただ、設備投資がふえ、景気回復の兆しの中で不安材料となるのが、雇用と人手不足の問題です。先ほどの調査でも、設備投資がふえるということは、能力の強化や事業拡大などによるものです。結果、少なからず雇用がふえることにつながります。  しかし、本県の現状を見ますと、先日の我が党の代表質問で谷久議員が指摘したとおり、介護、保育、看護、建設の四分野においては、全国と同様、人手不足の状態にあります。そして、「労働力確保の対策についてどのように取り組んでいくのか」知事にただしたのに対し、知事は、「本県経済が持続的成長を遂げる上で必要不可欠であり、地域経済を支える人材の育成・確保について、さまざまな観点から積極的に取り組んでいきたい」と答弁されています。  私は、この点を踏まえた上で、地域経済を支える適切な人材確保のための方策についてお聞きしたいと思います。  香川労働局のことし八月時点の調べによりますと、有効求人倍率は一・三五倍、平成二十五年度の全体の有効求人倍率も一・二九倍と、いずれも全国平均を大きく上回っています。これは、就職の機会の増加という点で、求職者にとっては非常にすばらしいことであります。  しかし、これを違った角度から見てみます。第一に、年齢別の求人・求職状況では、十九歳以下、二十歳から二十四歳まで、二十五歳から二十九歳までの年代で有効求人倍率が一・四四倍と、最も高くなっています。数字だけを見ると、雇用の機会がふえて、いいわけですが、裏を返せば、企業は人材を欲しがっているが、それだけの人がいないとも言えます。  そして第二に、同じ労働局の職業別の調査では、一般事務などを含む事務的職業で、求人数千九百六十七人に対し求職者は四千八百九十四人、有効求人倍率は〇・四〇倍となっています。一方で、建設、採掘の職業では、千二百九人の求人に対し求職者二百八十三人と、有効求人倍率は何と四・二七倍です。保健師、看護師等は三・二二倍となっています。つまり、求人と求職の年代、職業別のバランスが大きく崩れているということです。  人が欲しい企業に人が集まらない状況は、仕事があるのにできない、そして仕事では黒字なのに企業が成り立っていかないという最悪の結果を招きます。いわゆる人手不足倒産です。民間のリサーチ会社の調べによりますと、昨年一年間で、人手不足が原因で倒産した会社は全国で二百十六件となっており、本県でも一件ありました。ことしは、八月末時点で全国百九十七件、香川県でも一件となっています。  この状態が続けば、地域経済の持続的な成長に大きな影響を及ぼすと考えられます。それだけではなく、本県の企業が、いえ、産業全体が、人材を求めて本県以外の県へ、さらには海外へ出ていく新たなきっかけになってしまいます。  事実、私の地元三豊市で子供用の靴を製造販売している企業も、同じ悩みを抱えています。この企業は、大手メーカーとのタイアップで、ゼロ歳児から三歳児までの子供靴を扱っています。その核となるのが、精密に型取りされた靴の縫製技術です。しかし、その縫製をする人が本県にはいないというのです。理由は、製品が小さい上に、細かな手仕事で、根気の要る作業だからだそうです。このため、主力は六十歳以上の女性で、若い人は長続きしないそうです。人材が欲しいのに、いない状況です。  この企業は、生産効率や生産コストの面からも、本来なら三豊市内で製造したいとしながらも、隣の徳島県や兵庫県で、これといった産業のない山間部で人材を募り、生産しているそうです。この企業は、今後も本県での人材確保は難しいとの認識を持っています。全国に誇れる技術を持ちながら、人手不足によって、地域を支える産業が流出し、空洞化しつつあるという現状です。  この状況を踏まえて、お尋ねします。  地域経済の持続的な成長に必要不可欠なものである人材の確保でありながら、アンバランスな人手不足の現状に対し、知事はどのような認識と対応、さらにはどのような支援を考えているのか、お聞かせください。  さらには、こうした本県の強みである企業や産業の流出を防ぐためにも、人材を確保するための、さらには地元企業が大きく成長するための潤沢な資金が必要ではないでしょうか。そうした考えから、私は、地域経済を資金面から支える官民ファンドが重要と考えるわけであります。  安倍総理は、海外からの投資を引き込むための取り組みを、成長戦略の中の重要課題としています。同様に、私は、本県の地域経済を守るため、官民ファンドといった、県内企業へ投資を呼び込むための仕組みづくりが必要ではないかと考えますが、知事の御所見をお伺いします。  次に、知的財産としての農業技術についてお尋ねします。  世界の中における日本の農業を取り巻く状況、さらに国内での産地間競争と、本県の農業は本当に厳しい状況にあります。こうした中で、先日の我が会派の代表質問で辻村議員が、「本県の農業が足腰の強い自立できる産業としての農業を目指すためにどう取り組むのか」とただしたのに対し、知事は、「農地中間管理事業を活用した担い手の農地集積の積極的な展開による経営規模の拡大と県独自の担い手対策の充実・強化に努め、本県農業の持続的発展に向け、積極的に取り組んでまいりたい」と答弁されました。  この産業として持続的発展のために必要なことは、言わずもがな、本県の農業が利益を生み続けることであります。では、その利益を生むために必要なことは、第一に、圧倒的な生産量で市場に出荷し続けること、そして第二に、高付加価値の農産物で市場での地位を確保する、つまり県産農産物のブランド化による利益を生み出すことではないかと思います。  このうち、生産量を確保するためには、それに応じた農地が必要です。ただ、御存じのとおり、本県の耕地面積は、昨年平成二十五年の調査では三万一千五百ヘクタールと、全国で三十九番目の狭さです。また、平成二十四年の調査では、農業産出額も八百四億円で、全国三十六位であります。  さらに、この農地も減り続けています。九年前の平成十七年には三万二千八百ヘクタールだった耕地が、ふえることなく減り続け、三万一千五百ヘクタールにまでなっているのです。  一方で、ふえ続ける耕作放棄地の問題です。平成二十二年の農林業センサスにおける耕作放棄地面積の調査では、県全体で五千百五十五ヘクタールとなっています。十年前の平成十二年と比べると、百九十四ヘクタールもふえています。これは、二十年前に比べると、耕作放棄地が約一・四倍もふえたことになります。  中でも、私の地元三豊市は深刻です。三豊市の耕作放棄地は、県内で最も広くなっています。県全体の耕作放棄地五千百五十五ヘクタールのうち千三百二十ヘクタール、率にして約二五%が三豊市なのです。  私の地元のある農家の方が、「このままだと、財産としての農地を引き継ぐ人がいなくなる。農地の相続放棄が出る可能性がある」と話されました。ショッキングな話であります。この現状において、さきの代表質問で知事が答弁された、農地集積による経営規模の拡大と県独自の担い手対策の充実強化は非常に重要な取り組みですし、今後に期待したいと思います。  そしてもう一つ、高付加価値の農産物の生産であります。さぬき讃フルーツなど県産農産物のブランド化は、耕地面積の狭い本県にとって、効率よく農家の所得向上につながるものであります。加えて、「さぬき讃フルーツ」の商標登録、知財化したことで香川県の知名度がアップし、ほかの農産物の売上アップにもよい影響を与えるものと考えます。  こうした中で、今回私がお聞きしたいのは、この本県が誇る農業技術とその知財化であります。知財、つまり知的財産であります。唐突かもしれませんが、本県の農業技術を知的財産としてライセンスビジネスに結びつけられないかということです。  御案内のとおりですが、本県の農業技術は全国初のものが多くあります。古くは、昭和五十二年に育種、すなわち品種開発された「せとのはつしも」は、白い縁取りのあるピンク色のカーネーションで、その可憐さと切り花の本数の多さから、本県にとどまらず全国各地で栽培されました。また、昭和五十年代に全国に先駆けて研究を開始したキウイフルーツは、こちらも全国初の品種開発に成功し、「香緑」、「さぬきゴールド」などの本県のブランドを築くとともに、その後も、「さぬきキウイっこ」などの新品種へとつながっています。こうした高い技術は、「おいでまい」や「さぬきの夢」にも生かされています。  さらに、特にその技術力が全国に認められたものとして、ハウスミカンハウスビワが有名です。全国初の技術である本県のハウスミカンハウスビワは、まさにブランドとなり、市場でも高い地位を占めました。  ただ、残念なのは、このハウスミカンの技術は全国で導入され、いつの間にか他県の産地にも広がってしまい、今やハウスミカンイコール香川ではなくなってしまっています。こうした技術の流出は、非常にもったいないと考えます。  そこで、今回私がお聞きしたいのは、こうした本県の技術を知的財産として保護し、ライセンスビジネスに結びつけられないかということです。野菜などは、年間に何種類もの新品種が開発され、その栽培技術についてはイタチごっこの状態であることはお聞きしています。ただ、果物や花卉に関しては、先ほどのキウイフルーツカーネーションハウスビワのように、本県だけにしかない全国に誇れる技術があります。これを他県、そして海外へ売り込むことはできないでしょうか。  知的財産については、その管理と保護し続ける取り組みは非常に手間のかかるものではありますが、その仕組みが確立できれば大変大きな利益を生むものと考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いします。  次は、中国陜西省との友好交流についてお尋ねします。  本県と陜西省との御縁は、千二百年前に弘法大師空海が、唐の都長安、現在の西安で留学僧として学んだことに始まったものと承知しております。さらに、郷土出身の大平正芳先生が外務大臣当時に、戦後途絶えていた日中の国交の正常化の実現に貢献され、その後、本県と陜西省との間では、昭和五十七年の空海記念碑の建立を初め、青龍寺遺跡の復元、相互の人的交流の積み重ねなどがあり、平成六年の友好県省提携に至ったと伺っております。  友好県省提携以降、これまで本県と陜西省との間では、節目となる年の相互の訪問団派遣、陜西省文華博の開催を初め、文化、スポーツなどさまざまな分野での人的交流を行うなど、友好交流を積み重ねてきたところであります。日中国交正常化四十周年となった一昨年には、本県と陜西省を初めとして、高松市と南昌市、さらには私の地元三豊市と三原県など、中国各市と友好都市縁組を結んでいる三市二町が交流を深化・強化させ、より多くの実質的な成果を上げるために互いに連携して進めていくという共同宣言を発表しています。  こうした経緯の中、折しもことしは、本県と陜西省との間で平成六年に友好県省提携をしてちょうど二十周年を迎える記念の年となっています。現在、我が国と中国との間ではさまざまな課題を抱えており、我が国の立場として主張すべきことは主張すべきでありますが、一方で、先人たちがこれまで積み重ねてきた本県と陜西省との長年にわたる友好交流の取り組みや相互理解のための継続した努力も大切にしていかなければならないのも事実です。  そこで、陜西省と友好提携二十周年に当たり、記念事業をどのような内容で実施するのか、また、陜西省との友好交流に今後どのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いします。  次に、スポーツ王国香川への取り組みについてお尋ねします。  知事は、本議会冒頭の所信表明の中で、「大学と地域の連携を深めるとともに、子供たちが夢を持てるようなスポーツ王国香川を目指す」と述べられました。このスポーツ王国香川がたちまち目指すものは、二〇二〇年の東京オリンピックパラリンピックであろうと思います。オリンピックパラリンピックの開催決定は、国民にとって、明るい希望と期待に満ちた未来だけでなく、スポーツに取り組む子供たちの夢が明確かつ現実的な目標となりました。  さらに、オリンピックパラリンピックに本県から選手が出場することは、地域が元気と誇りを取り戻し、さらには活性化にもつながります。しかしながら、残念なことに本県からは、前々回の北京オリンピックパラリンピック以降、出場選手が出ていません。  そこで、知事の言うスポーツ王国香川への取り組みだと思います。本県では、小学生を対象にしたスーパー讃岐っ子育成事業を初めとして、日本代表選手を育成支援する一般を対象にしたスポーツ日本代表特別強化事業を一昨年に、また、中学生、高校生を対象にしたスーパーアスリート育成事業を昨年、立ち上げております。加えて、県代表などの選手を対象にしたトップアスリート育成事業、さらに先日の文教厚生委員会では、全国レベルの選手によるスポーツ教室や講演会も今後行っていくともお伺いしました。各年代に、そして各レベルに応じた切れ目のない育成強化のシステムができていると思います。  このシステムを最大限生かしてくれそうな本県のアスリート、中でも東京オリンピック世代と言われる中・高生、二十歳代の活躍は、最近、目をみはるものがあります。附属坂出中学校村上雅弥選手は、先月行われた長崎国体の競泳少年男子五十メートル自由形決勝で見事優勝し、全国中学校体育大会全国JOC夏季大会の合わせて三冠を達成しました。さらには、先日閉会したアジア大会には、私の地元三豊市の期待の星、バドミントンの桃田賢斗選手や、バスケットボール女子牛田悠理選手など八人が出場し、好成績をおさめています。まさに、来るべき東京オリンピックへの期待が高まりますし、六年も待たずに、再来年のリオデジャネイロオリンピックでも期待できます。望むべきは、出場するだけでなく、メダルを目指してほしいものです。
     そのためにも、未来のオリンピック選手への支援、特に遠征費用など現実的な競技力向上のための資金面などの支援は必要不可欠かと思われますが、教育長の考えをお聞かせください。  さらに、パラリンピックでも、表彰台を目指している選手への支援も必要です。県では、ことし七月に、香川県障害者スポーツ協会を設立されました。この協会は、身近な地域で日常的にスポーツを楽しむ環境を充実させるとともに、競技スポーツとしての競技力の向上を図り、国内外のスポーツ競技大会で活躍できるよう、総合的な障害者スポーツの振興を推進するものであると聞いています。  そこで、協会設立後から、リオデジャネイロ並び東京パラリンピックへ向けた支援体制の取り組みはどうなっているのか、知事にお伺いして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)山下議員の御質問にお答えいたします。  まず、中小企業の人手不足対策と支援についてであります。  本県経済が持続的成長を遂げる上で、人材の育成・確保は極めて重要な課題であります。このため、香川県産業成長戦略の横断的戦略として、産業の成長を支える人材の育成・確保を取り上げ、鋭意取り組んでいるところであります。具体的には、県内企業との連携のもと、産業技術センターにおける溶接技術を初めとする技術研修や勉強会を開催し、県内企業の核となる技術を担う人材育成に取り組むほか、高等技術学校での在職者訓練や施設の貸し出しなど、企業ニーズに対応したきめ細かな支援を行っております。  一方、景気回復に伴い、大手企業等を中心に求人数がふえる中、学生の大企業や大都市部への就職志向が強まり、ものづくり離れも進む中で、県内の中小企業の中に人材確保に苦労する企業が見られ、さらに保健医療福祉分野や建設分野などにおいては構造的な人材不足が深刻化しております。  このため、将来の職業選択への幅広い視野と高い職業意識の育成を目的とした小・中学校や高校でのキャリア教育や、企業の業務内容の理解度を高めるためのインターンシップを実施するほか、特に人材不足が深刻な介護、保育、看護、建設の分野については、保健医療福祉分野での有資格者等の人材登録センターの開設、介護分野における働きながら資格が取得できるプログラムの実施とともに、雇用管理の改善と正社員転換等による、企業みずからが働きやすい、働きがいのある職場づくりを進めるための啓発活動にも取り組んでおります。  また、建設の分野では、高等技術学校における鉄筋工や型枠工などの訓練内容を、より実践的な知識や技術を習得できるものに、今年度の入校生から見直し、充実を図るとともに、若年建設労働者の確保・育成のための補助事業をモデル事業として新たに実施したいと考え、今定例会に必要経費を計上した補正予算案を提案しております。さらに、今年度は新たに、人材不足に直面している県内中小企業を対象とした人材採用支援セミナーを来月開催し、来年度からの就職・採用活動の時期の変更や、売り手市場における人材採用に関するノウハウ等の研修を実施するなど、県内の中小企業における人材確保を支援するさまざまな施策を進めてまいりたいと考えております。  加えて、議員御提案の地域経済に投資を呼び込むための仕組みである官民ファンドにつきましては、新たなビジネスチャンスに前向きに挑戦しようとする中小企業に対する支援策として有力な方策と考えられ、本県においても現在、六次産業化支援のための官民ファンドが組成されており、また、民間のみのファンドの組成実績もあります。新たな官民ファンドの組成につきましては、投資ニーズの課題等や他県等の例を踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。  次に、知的財産としての農業技術についてであります。  本県では、農業分野における国内外での産地間競争が激化する中で、県産農産物の高品質化、差別化や省力化等により、本県農業の振興や農業者の所得向上を図るため、本県の気候風土や営農条件に合った高品質で特色のある県オリジナル品種や農業技術を積極的に開発してまいりました。開発された品種については、種苗法に基づく権利を保護するとともに、生産者団体などと連携したきめ細かな販売戦略に基づき、その積極的な活用を図っております。  キウイフルーツ「さぬきゴールド」や「さぬきキウイっこ」、イチゴの「さぬき姫」などについては、商標登録した「さぬき讃フルーツ」としてその生産拡大を支援するほか、「おいでまい」や「さぬきの夢二〇〇九」については、需要拡大に向けたPR活動を強化するなど、本県の強みを生かしたブランド化に取り組んでいるところであります。また、カーネーションのミニティアラシリーズについては、北海道とのリレー栽培により、国内市場への周年出荷体制を確立するほか、本年一月にはオランダの大手種苗会社と種苗の利用契約を締結するなど、国内外における市場評価の一層の向上に向けた取り組みを強化したところであります。  一方、特許として知的財産権が保護できる農業技術については、「ちどりさん」の名称で普及している野菜の半自動移植機や、レタストンネルのくい打ち機などについて、積極的に特許を取得しており、製品の普及を通じて省力化に大きく貢献しているところでありますが、このうち半自動移植機については、平成十五年度からこれまでに約四百七十万円の特許収入を得て歳入予算計上しているところであります。  今後とも、新しい品種や農業技術の開発を推進するとともに、こういった品種や技術を知的財産として適正に保護し、有効に活用することで、県産農産物の評価や競争力を高め、本県の将来にわたる農業の持続的発展につなげてまいります。  次に、中国陜西省との友好交流についてであります。  本県と陜西省との間においては、御指摘のとおり、平成六年に締結した友好県省提携に関する協定書に基づき、友好提携などの周年に合わせての代表団の訪問や視察団の派遣、国際交流員の受け入れなどの人的交流を初め、卓球などのスポーツ交流や書道を通じた文化交流などさまざまな分野で友好交流を深めてまいりました。  御指摘のように、本年は陜西省との友好県省提携から二十周年の節目の年となっております。こうした機会を捉え、両県省の友好交流のきずなを一層深めるため、記念事業として、来月、私は、議長、県議会日中友好議員連盟の皆様ともども陜西省を訪問し、省政府などを表敬するほか、かつて本県に国際交流員や海外技術研修員として在籍した皆様などとの交流の場を設け、旧交を温めたいと考えております。  このほか、記念事業として、近年の中国での海外旅行熱の高まりも踏まえ、陜西省において香川の観光説明会を開催するとともに、県内においても中国陜西省への理解が一層深まるよう、これまでの友好交流の歴史と陜西省の観光地等を紹介する写真展を四カ所で開催したいと考えております。  今後とも、長年にわたって培った相互の信頼関係を礎に、友好県省提携二十周年を契機として、両県省間の相互の理解と信頼が一層深められるよう、各市町、また、民間団体などとも協力しながら、友好交流事業に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)山下議員の、スポーツ王国香川への取り組みについての御質問にお答えいたします。  東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催は、本県にとっても、障害者スポーツを含めたスポーツ振興を推進する絶好の機会であり、本県出身者から大会に参加する選手を輩出できるよう、競技力向上などに積極的に取り組んでいく必要があると考えております。  お尋ねのリオデジャネイロ及び東京パラリンピックへ向けた支援については、本年七月に設立した香川県障害者スポーツ協会内に、障害者スポーツの普及・啓発を図るとともに、競技力向上に係る専門的事項の検討・調整を行う普及・強化部会を設置し、強化すべき競技種目の選定や強化選手の指定など、今後の選手の育成・強化に向けた支援の枠組みづくりについて、検討を行っているところであります。今後、こうした協会の支援の枠組みのもと、香川県体育協会を初め各種競技関係団体や障害者団体等と緊密に連携しながら、有望な人材の発掘や、国内外の競技大会への派遣経費支援も含めた選手の育成・強化、さらには障害特性に応じた指導者の養成などに重点的に取り組むこととしております。  県といたしましては、こうした取り組みにより、本県からパラリンピックを初めとする世界レベルの大会で活躍できる選手が輩出されるよう、障害者スポーツも含めて、スポーツ王国香川の実現を目指してまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)山下議員の、スポーツ王国香川への取り組みについての御質問にお答えします。  スポーツ選手の国際大会での活躍は、人々に勇気や感動を与え、未来を担う子供たちにも夢や希望を持たせてくれるものであり、それが本県出身の選手ともなればひとしおであります。  先日、韓国の仁川で、アジアのオリンピックとも言われる二〇一四年アジア競技大会が開催されましたが、本県出身の選手が卓球の団体やバスケットボール等でメダルを獲得するなど大いに活躍してくれたことは、本県のスポーツ振興にとっても大変喜ばしいことでした。また、八月に四国地区で開催された全国中学校体育大会では、新体操や競泳、陸上競技で優勝者が出るなど、次の世代の選手も育ってきており、年代やレベルに応じた切れ目のない育成強化の成果があらわれてきていると考えております。  こうした日本代表として大会に出場する選手にあっては、県外遠征や練習に多額の経費を負担しているとお聞きしておりますので、平成二十四年度から、スポーツ日本代表特別強化事業として、本県出身の日本代表候補選手に対し、海外遠征の経費等に助成を行うこととしたところであります。また、将来性豊かな中学・高校生についても、平成二十五年度から、スーパーアスリート育成事業として、その指定選手に対し、県外遠征の経費等を支援しております。  今後とも、関係競技団体と連携を図りながら、こうしたトップアスリートに対する支援を行い、二年後のオリンピック・リオデジャネイロ大会や六年後の東京大会に本県出身選手が一人でも多く出場し活躍できるよう取り組んでまいりたいと存じます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  米田晴彦君。    (米田晴彦君登壇、拍手) ◯米田晴彦君 六月定例会に引き続き、一般質問に立たせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  質問の一点目は、人口減少問題にどのように取り組んでいくのか、その構えというか基本的視点について伺います。  人口減少問題が一段とクローズアップされたのは、増田寛也元総務大臣率いるところの日本創成会議の報告が出されてからでした。日本中を揺さぶるというか、大きなショックを与えました。  ショック療法の効果を狙ったのかどうかわかりませんが、よいショックばかりではありません。地方を何とかせないかんという議論の一方で、もう手おくれだから消滅する農村を畳んでしまえの農村畳み論、どうせこの町はなくなるんでしょうといった諦め論も登場してきています。さらには、消滅の予測をきっかけに、これまでの社会の仕組みや制度を新たにリセットし直すという発想の制度リセット論の動きも生まれています。  しかし、報告を十分見直してみると、消滅と断定できるほどのデータがないのも事実です。現に、消滅するおそれがあるとされた地域で、田園回帰とも言える若者の移住による人口の社会増を実現している自治体もあります。ひょっとすると、財政が厳しい中で田舎に住むことはわがままだという空気をつくり上げ、TPP批判の中心勢力、農村を潰すといった思惑が働いているのではといううがった見方もあながち的外れではないとの考えももたげてくるところです。  当該者である私たちは、諦めたり踊らされたりせず、私たちの知恵と力で持続可能な地域社会を改めてつくり出していく必要があります。それを地域再生と言おうが地域創生と言おうが、県民にとってはどちらでもいいことです。どこに力点を置くのか、その共通認識づくりが大事です。  私は、どうやって地域の主体形成を図っていくのか、その戦略をこそしっかり練って共通認識を深めることが急がれると考えています。これまでの、住民はねだる存在、してやる発想の行政から、地域を一緒につくっていくという発想への転換が求められているのではないでしょうか。  生活困窮者支援事業を推進する厚生労働省の所管課長は、新しい町をつくるつもりでこの事業を展開してほしいと、行くところ行くところで力説しています。セーフティーネットが破けてしまった今の地域の状況では対応できないということを認識してのことだと思います。  男木島でも、コミュニティーを再建しようと、大きな挑戦が始まっています。NHKが報じた男木島の学校再開のルポの中で、「私、一人で御飯食べたい派やねん。友達が少ないより人がいっぱいいるほうがいいやん」と語っていた都会から帰ってきた少女が、半年間でその価値観を変えようとしています。顔つきが変わってきました。彼女がどう変わっていくのか、大いに楽しみです。  何が言いたいか。それは、都会とは違った価値観でコミュニティーを再構築していく、そこに地方の展望があると考えますし、その仕組みづくりを支えるために県は役割を果たすべきと考えます。  知事は、二期目の所信表明で、人口減少・活力向上対策本部を設置して人口減少問題に正面から取り組むことを表明されました。今後、知事はどのような香川の将来をイメージして人口減少問題に取り組んでいくのか、その構えについて御所見をお聞かせください。  次に、いわゆる移動の権利の確立について伺います。  これまで、いわゆる移動の権利の確立に向けた施策の推進、交通政策基本法の課題について質問してきました。法律は、移動の権利を盛り込みませんでした。それでもしつこく移動の権利を保障する施策を展開せよと県に求めるのは、衰退著しい地方の最重要課題を人口減少と捉えるのなら、衣食住に加えて交通の確保は必須事項と考えるからです。  マイカーを運転できない人々は、日々の暮らしにおける移動にも不自由を来しています。国民のシビルミニマム、つまり地方自治体が住民のために備えなければならない最低限の生活環境基準が備わってないと言えます。自動車に過度に依存してきた現代社会を変える、二酸化炭素の排出量の約二割が交通部門から、そしてその約九割は自動車からという現実も見据え、人と環境に優しい交通網を整備し、マイカーを運転できない人々の社会参加をかち取ることが地域の活性化につながるという視点で、交通政策を展開すべきです。  そこで、提案があります。従来から課題として挙げられてきました離島航路の運航改善、バス路線の充実のために、船もバスも電車も同距離同運賃となるようなスキームを用意できるよう特区申請してはいかがでしょうか。強いところが弱いところを支えるという枠組みを取り戻す以外に、地方交通に展望はありません。  移動の権利を保障しようという考えや私の具体的提案について、どのようにお考えか、知事の御所見をお伺いします。  また、十月一日、高知県交通と土佐電鉄が経営統合し、公が関与する新会社がスタートしました。地方交通のあるべき姿を模索する上で注視していくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、移動できない人々への生活支援と買い物難民対策の見直し・充実について伺います。  先日、地域の課題をつかむべく調査活動に回っておりますと、「人口減少、町の消滅と騒いでいるが、政治家は本当に現状をわかって言っているのか。そうは思えない。先日の大雨警報が相次いだときだって、大雨警報が出てから避難せよと行政は言ってくる。一番危険な状態のときに避難できるものか、わかってない。動けなくなっている人がどれだけいるのか、イメージできていない。そんなときに動くものか。予報が発達しているんだから、空振りでもいいからもっと早く避難指示を出すべきだ。」、「限界集落という言葉があるが、それは決して山手の集落だけではなく、市の中心部だって一緒。日々の買い物や食事に困る人がふえている。政治家が、日々、人々の生活と密着して考えていないから、とんちんかんな政治的言動が飛び出すんだ」と、きついお言葉をいただきました。  また、米屋さんからはこんなお話を伺いました。「自分たちの仕入れ値より安い値段でお米がスーパーで売られている。商売になりません。でも、近所のお年寄りから、「店をあけとってね」と言われると、あけておかないわけにはいかない。」米は重いから、米だけは米屋さんで買っていくんだそうです。「大手スーパーに買い物に行ける人はまだいい、買い物に出歩けない人たちのために、移動する食料品、食べ物カーの運行を」と、切実な訴えがありました。  県も、こうした声に決して手をこまねいているわけではなく、ひとり暮らしの高齢者対策をとっていただいているところですが、物足りない気がします。何が物足りないのか考える中で、一つの課題が見えてきました。それは、支援のあり方についてです。困難なことへの対応に終わっているんじゃないかという問題意識です。  困っている地域に持続可能な仕組みをつくるという発想が欠けているのではないでしょうか。買い物支援の事業が広域的に展開されていますが、広域でなければ採算が合わないなどの事業の受け手の側への配慮が先に立ってはいないでしょうか。地域の機能回復という視点で、そこにある人的資源、自営業をいかに活用していくか、地域の雇用確保が高齢者の生活を支えているという図式、あえて言うと、地域活動に貢献している店が繁盛するような仕組みをこそ構築すべきではないでしょうか。地域づくりの一環として、この対策も組み直されるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  買い物難民支援策の現状はどうなっているのか、私の指摘した点も含めて、今後どのように見直し、充実させていくおつもりなのか、お考えをお聞かせください。  次に、香川県大学生等奨学金や教育資金制度の充実について伺います。  進学に金がかかる状況は、改善の気配がありません。改めて数字を見て、驚きました。独立行政法人日本学生支援機構の調査によれば、奨学金を借りている大学生の割合が五二・五%、何と五割を超えているのです。二十年前の一九九二年の数字は二二・四%、約五人に一人という状況ですから、さま変わりです。奨学金なしには大学進学は成り立たない、この構造変化に対応した奨学金制度、教育資金制度になっているのか、検証が必要です。  香川県も、経済的理由で進学を断念せざるを得ない、社会の貧しさをあらわす事象を何とか解消しようと、奨学金制度、また、教育資金制度の充実に努力をいただいてきたところです。知事も、選挙戦中、奨学金の充実など進学環境の改善を力いっぱい訴えておられた姿が印象に残っています。  そんな中、私も幾つかの家庭の方から、教育資金の工面に苦慮しての相談を受けてきました。言語聴覚士という明確な目標を持って資格取得を目指す女生徒のケースは、四年制の専門学校への進学を希望して受験、合格通知が来たが、九月に入学金、十月に初年度の授業料を納めなければならず、慌てて金策に走り、教育ローンを借りようとしたところ、自営業者のため、事業のための資金に融資を受けており、必要額を借りることができない、勤労者福祉資金融資制度は対象外というものでした。当然、奨学金の申請はしているが、四年間の必要額の工面の見通しがつかなければ、途中で中退させるようなことはしたくないから、進学を諦めることを娘に突きつけるしかないという差し迫った相談でした。  何とかこの相談に応えようと動く中で、今の奨学金制度、教育資金制度に改善の必要があるという問題意識を強めました。社会福祉協議会の生活福祉資金など、低所得者世帯にはそれなりの制度があるものの、それを超える層が利用できる制度が薄いのではないか、結局高い教育ローンや有利子の奨学金に手を出さざるを得なかったり、借れない状況をつくっているのではないか、学校側の生徒確保策からの納入時期の変化に、融資、貸与時期が対応できていないのではないか、香川県大学生等奨学金制度の募集時期が早く、期間が短過ぎではないのか、貸付水準が妥当なのかなどです。以前の委員会質疑で、勤労者福祉資金融資制度が用意した枠までまだまだ十分余裕があり、制度の存在が十分知られているのかどうか、融資対象拡大という課題もこれまで議論されたことも知りました。  そこで、提案があります。香川県大学生等奨学金における入学金の工面に対応する別の奨学資金メニューの追加創設、私立大学等の授業料等の動向を十分に反映した貸付月額の設定についての柔軟な対応、香川県勤労者福祉資金融資制度の利息を利子補給する制度の創設、勤労者以外への融資制度の創設を提案します。社会が面倒を見てくれたという実感が、社会に対して恩返ししようという意識を醸成するという観点からも、人口減少問題に資すると考えます。  知事は、香川県大学生等奨学金や香川県勤労者福祉資金融資制度など、意欲のある学生を支援しているにもかかわらず、その制度のすき間で、希望する学校への進学を経済的な理由でためらう若者がいるという現状をどう認識し、上記四点の提案についてどう考えるのか、伺います。  次に、高校におけるインクルーシブ教育の推進について伺います。  二月定例会、六月定例会で、障害者の権利条約批准という状況を受けて、障害者施策がどのように変わるのか、また、変えなければならないのかについて、その認識をお聞きしましたが、どうも答弁を聞いて、障害者の権利条約が求める姿と知事及び教育長の認識に大きな乖離があると感じています。そこで、きょうは、高校におけるインクルーシブ教育に絞って、改めて質問をしたいと思います。  インクルーシブ教育について、目指すべき目標が異なっていると感じています。インクルーシブという言葉を使いつつも、それがどういう状態を意味するのかについての共通理解がなされていないように思います。  障害のある子供の教育についての国際的な考え方は、次のような変遷をたどってきました。私の勉強した中で、一九七五年の障害者の権利宣言、一九八二年の障害者に関する世界行動計画が採択された当時の統合教育を目指す考えから、一九九四年に採択された特別なニーズ教育に関するサラマンカ宣言では、インクルーシブな方向性を持つ普通学級こそが、差別的な態度と闘い、喜んで受け入れられる地域をつくり、インクルーシブな社会を建設し、万人のための教育を達成するための最も効果的な手段であるという指摘をし、これを境に、インクルーシブ、すなわち包含教育が国際的潮流になり、現在に至っていると認識しています。  それでは、統合教育とインクルーシブ教育、どう違うのか。統合教育、英語でインテグレーションは、障害のある子、ない子に分けて考えて、とにかく同じ場で教育を行う概念であるのに対し、インクルーシブ、包含教育は、システム、仕組みの問題です。もともと子供は一人一人違っている存在であり、そもそも特別とか特別ではないと分けない捉え方、仕組みです。どんなニーズがあっても一つの仕組みでやっていきましょうというシステムです。  香川の現状はどうでしょうか。特別支援学級、特別支援学校と、そのほうが障害のある子供の能力をより開花させることができるという立場なのではないでしょうか。インクルーシブを追求しているとは言えないのではないでしょうか。特別という言葉を使うこと自体、多様ということを否定しているということもできます。特別という見方、扱いからの脱皮が必要です。この子は障害があるからこういう教育をしていきましょうという前提での通常教育では意味がありません。通常教育自体が多様にならないと、障害のある子たちだけに多様な教育を用意しても意味がありません。  例えば、通常学級に発達障害の子がいるとします。生徒指導の一環として、離席した子供は叱る、でも発達障害の子は叱らない、これは本質的に違うのではないでしょうか。また、学習障害の子に対してタブレット端末を使っていきましょうとなったとします。それが今後当たり前になっていくと思いますが、そうなったとき、ほかの子供たちは普通にノートをとっています。そのとき先生が、「あの子はノートで学習できないからタブレットを使っています」なんて説明するとしたら、それはインクルーシブではないと思います。  子供たち一人一人が多様であることを前提とした上で、一人一人に質の高い教育を提供していくという考えに立たないと、意味がないと思います。障害のある子だけに合理的配慮といって特別な支援をしていくというのではなく、そもそも一人一人が違っていて、それぞれに合った教育を提供していくという視点に立たないと、文化として、やっぱりあの子たちは特別でしかないんだよ、僕たちとは違うよねと、二つに分かれてしまうということになると思います。  そこで、高校入試の問題です。高校選抜においては、いまだ、「能力に応じて」を、画一的な能力主義と捉えて、障害者を競争試験において同一の土俵に立たせるという状況が続いています。この能力は、生まれという偶然によって差別をしてきたことを取り除かんがために置いた言葉であり、この能力自体も社会的環境に依存していることが多く、環境の不平等を取り除くことができないということを考えれば、能力欠損についても、誰もが一般的に公正だと考えられる程度においてアクセスを保障されるべきというのが、法哲学上の行き着いた結論のようです。  権利条約が求めているのは、個々の持つ可能性を開花させるのにどういう仕組みをとるかです。他県において、定員内不合格を出さないなど、障害者との共学に新たな地平を切り開いている府県があります。香川県も一歩踏み出すときではないでしょうか。私の認識に誤りはあるのでしょうか。  インクルーシブ教育の認識について、教育長に伺います。  また、どのような考えで高校におけるインクルーシブ教育実現に向け歩みを進めるのか、教育長の認識をお示しください。  最後に、県立ミュージアムにおける国際博物館の日の取り組みについて伺います。  ことし二月から六月にかけて、個人でコレクションされている古地図や蓄音機の展覧会が多度津町立資料館で相次いで開催され、収集されている方から、博物館の日があるということを教えていただきました。五月十八日は国際博物館の日、全国的に記念事業企画展に積極的に取り組んでいるぞというお話をいただきました。調べてみますと、二〇一三年度は全国二百八十六館、二〇一四年度は全国二百七十三館で記念事業が取り組まれており、この日に合わせて無料開館など、さまざまな博物館に親しんでいただく努力が行われていることを知りました。  公益財団法人日本博物館協会が、日本国内で記念行事を実施している博物館をホームページで公開していますが、今年度、香川では、さきの多度津町立資料館での蓄音機展が掲載されているだけで、寂しい状況になっており、国際博物館の日に対する香川県内の博物館の認識は十分でないような気がします。県内においても、博物館が、国際博物館の日を通じた無料入館や記念行事等の取り組みを通じて、博物館が社会に果たす役割について広く県民にPRすることが重要であると思いますが、まずは、県が率先してこうした取り組みを充実させていく必要があると考えます。  そこで、県立ミュージアムにおいては、近年、国際博物館の日に合わせた取り組みを行っていると聞いていますが、これまで具体的にどう取り組んできたのか、また、今後どう取り組んでいかれるのか、知事にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)米田議員の御質問にお答えいたします。  まず、人口減少対策についてであります。  本県は、多島美を誇る瀬戸内海や緑豊かな自然に恵まれ、沿岸部を中心に開けた都市とその周辺部、それを取り巻く農山漁村とが密接な連携を持って、まとまった生活圏を形成しております。こうした独自の居住環境を背景に、本県ではこれまで、島々を含め県全体を田園都市と見立て、都市の持つ活力や利便性と、田園と海の持つゆとりと安らぎを兼ね備えた地域として、魅力の向上を図ってまいりました。  その中でも、地域コミュニティーの活性化を図ることは、個性豊かな魅力ある地域づくりを進めていく上で重要であり、県では、地域住民が主体となって実施する地域資源を活用した地域コミュニティー活動への支援や、地域づくり実践者の育成に取り組むほか、定住・交流人口の拡大に向けて、各市町が取り組む先進的な事業に対して支援を行っています。  人口減少が地域の活力を奪う中、幸いにして本県には、「世界の宝石」とも称される瀬戸内海を初め、住みやすい気候風土、お接待の精神を持つ県民性、国の出先機関や企業の支店が集積する四国の政治・経済活動の拠点、本県独自のブランドであるオリーブや希少糖など、数多くの宝があります。私としましては、こうした強みや財産を活用して、田園都市としての魅力を高めるとともに、喫緊の課題である経済の活性化と雇用の確保を図ることはもとより、東京一極集中となっている人の流れを変える施策や地域の元気をつくる施策を、市町や地域住民等と連携し、効果的に講じて、定住人口や交流人口の増加に努め、まずは、人口の社会増減をプラスに転換することを目指してまいりたいと考えております。  次は、移動の権利の確立等についてであります。  移動の権利の保障については、平成二十三年に、国の交通政策審議会・社会資本整備審議会交通基本法案検討小委員会において、交通基本法立案時の基本的な論点として議論されましたが、時期尚早とされ、同法案も平成二十四年に廃案となりました。昨年十二月に施行された交通政策基本法においても、規定されていない状況にあります。  私としましては、御指摘のような権利を保障するという観点に立つ施策の実施は、現実的にコスト面等で難しいと考えますが、本県においても、集約型都市構造の実現、少子高齢化への対応、環境負荷の低減等の観点から、地域公共交通の役割はますます重要となっていると考えており、基幹的な交通は県を中心に、地域に密着した交通は地元市町を中心にといった役割分担に沿って、県全体で利便性と結節性にすぐれた地域交通ネットワークの構築に向けて取り組んでいるところであります。  土佐電気鉄道と高知県交通との経営統合につきましては、統合により新たに誕生するとさでん交通に対し、持続可能な公共交通再構築に向けて、行政がこれまで以上に積極的に関与することが必要な状況にあると判断し、県と関係市町村が出資を行うこととなったものと伺っております。高知県の事例は、全国的にも交通事業者を取り巻く環境が一段と厳しくなっていることを示す一例であると捉えておりますが、本県においても、行政が支援しながら、民間主導や住民主体により再建した事例等があります。  いずれにいたしましても、私としては、地域の特性や実情を十分に踏まえ、国や市町とも連携しながら、しっかりと地域公共交通の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。
     次は、買い物難民対策についてであります。  県では平成二十四年度から、一人暮らし高齢者等対策事業として、買い物が困難な高齢者等に対する買い物支援を広域的に行う民間事業者の初期経費に対する補助や、買い物支援等の生活支援を行う市町への補助を実施しており、現在、七市六町で移動販売や宅配サービス、買い物送迎などの買い物支援が行われています。このうち、民間事業者への補助については、買い物支援事業の実施地域の拡大を図るため、広域的な実施を要件とするほか、事業者の選定に当たっては、事業の持続可能性に加え、地域との連携など、地域づくりや地域への貢献の観点も踏まえて選定しております。  この事業による移動販売をきっかけに、地元の自治会が、移動販売に合わせて集会所を開放し、高齢者の交流の場を設けるとともに、買い物に来なくなった高齢者に対する声かけや見守り活動も行うなど、取り組みが地域の生きがいづくり等に発展している事例もあります。また、事業者においても、採算性を確保し、事業が継続できるよう、営業努力や創意工夫も行われており、地元自治体や社会福祉協議会から船賃の補助を受けて島嶼部への移動販売を開始したり、就労継続支援事業を利用する障害者の施設外就労を活用して宅配サービスの総菜づくりを行うなど、地域の活性化や障害者福祉に貢献している事例もあります。  今後、ひとり暮らし高齢者等の一層の増加が見込まれており、買い物が困難な高齢者の方を地域で支える仕組みづくりが重要であることから、事業の実施に当たりましては、これまでの事業の効果や課題等を十分検証した上で、議員御指摘の点も踏まえ、必要な見直しを検討してまいりたいと考えております。  次に、教育資金制度の充実についてであります。  本県の大学生等奨学金制度は、安心して子供が育てられる環境づくりを進めるとともに、意欲や能力のある学生が安心して大学等で学ぶことができるよう、また、大学等卒業後、本県へのUターン就職への一助となるよう、平成二十三年度に創設したものであります。  また、勤労者福祉資金融資制度は、県内の勤労者に対し必要な資金を融資することにより、勤労者の生活の安定と福祉の向上につながるよう、従来の中小勤労者福祉資金制度の貸付対象者を全ての勤労者に拡大し、平成九年度に創設したものであります。  私は、経済的な理由により学生等の修学の機会が失われることのないよう、奨学金等の教育資金制度の充実を図ることはもちろん、その運用に当たっては、進学希望者や保護者の実情に応じて、より適切な支援が行われることが重要であると考えております。  議員御提案のうち、入学金等の入学前に必要となる資金メニューの追加につきましては、本県の奨学金制度は、限られた財源を効率的・効果的に活用するため、日本学生支援機構の奨学金制度と同様に、大学等に在学中の資金を手当てする制度としている一方、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)などの金融機関の教育資金貸し付けが入学前の資金として利用されている現状も踏まえ、勤労者以外への融資制度を含め、さまざまな角度から研究してまいりたいと考えております。  また、大学等の授業料等の動向を反映した貸付月額の設定につきましては、現在は、自宅か自宅外通学か、また、国公立、私立大学の別に応じて、日本学生支援機構の貸付月額と同額を設定しておりますが、引き続き授業料等の動向について、十分に注視していく必要があると考えております。  勤労者福祉資金融資制度の利子補給制度の創設については、これまでも逐次制度改善に取り組む中で、平成二十五年度には、教育資金の融資利率の引き下げや融資限度額の拡大、返済期間の延長などの見直しを図ったところであり、当面は現行の制度の利用促進に努めてまいりたいと考えておりますが、引き続き、社会情勢等を見きわめながら、必要に応じて、融資利率等を含めた制度のあり方を検討してまいります。  いずれにせよ、今後とも、次代の香川を担う人材を育成するための教育資金のあり方について検討を行い、経済的理由により本県の若者の修学機会が失われることがないよう努めてまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、政策部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)工代政策部長。    (政策部長工代祐司君登壇) ◯政策部長(工代祐司君)米田議員の、県立ミュージアムにおける国際博物館の日の取り組みについての御質問にお答えします。  国際博物館の日は、パリに本部を置く国際博物館会議ICOMが、博物館の社会に果たす役割を広く普及啓発することを目的として一九七七年に制定し、趣旨に賛同する各国の博物館では、五月十八日を中心に、講演会や記念品の贈呈などさまざまな記念事業を実施しているところであります。日本では、平成十四年度から、公益財団法人日本博物館協会が、全国の協会傘下の博物館に記念事業の実施を呼びかけております。  県立ミュージアムにおいては、平成二十三年度から、国際博物館の日の趣旨を踏まえ、春の特別展の会期中に、講演会、ワークショップの開催や記念品の贈呈などの記念事業を実施しているところであります。  県といたしましては、引き続き、国際博物館の日の記念事業の充実に努め、県立ミュージアムの博物館としての諸活動を広く県民の皆様に知っていただくとともに、県立ミュージアムが事務局を務める香川県資料館協議会などを通じて、県内の他の博物館にも国際博物館の日の普及啓発に努めてまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)米田議員の、高校におけるインクルーシブ教育の推進についての御質問にお答えいたします。  平成二十三年八月に改正されました障害者基本法では、障害者が年齢や能力に応じ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り、障害者である児童生徒が障害者でない児童生徒とともに教育を受けられるよう配慮しつつ、必要な施策を講じなければならないとされております。  また、平成二十四年七月の国の中央教育審議会初等中等教育分科会の、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築に関する報告では、高等学校においては、入学者選抜における配慮を行うとともに、中学校、特別支援学校等との連携により、障害のある生徒に対する必要かつ適切な指導や支援につなげていくことが必要であるとされております。  この高等学校の入学者選抜においては、障害のある受験者などに対しては、中学校から提出された特別措置願書に基づき、これまでも障害の状況に応じて適切な配慮を行ってきているところでありますが、この入学者選抜は、それぞれの学校、学科等で入学後の教育を受けられる能力・適性があるかどうかを基準として行うものでありますことから、志願者数が定員に満たない学校、学科等においても不合格者が生じることがあると考えております。引き続き、入学者の選抜においては、障害があることによって不合理な扱いをすることなく、それぞれの高校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けることができる能力・適性等を総合的に判定して、公正公平に行われるよう努めてまいります。  今後とも、障害者基本法に基づき、障害のある子供が、高等学校段階においても、年齢や能力に応じ、特性を踏まえた十分な教育を受けられますよう、特別支援教育を推進してまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  氏家孝志君。    (氏家孝志君登壇、拍手) ◯氏家孝志君 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  質問に入るに先立ちまして、一言申し述べさせていただきます。  広島豪雨災害、御嶽山の噴火、さらには台風十八号の襲来といった相次ぐ自然災害において被害に遭われた方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げますとともに、犠牲になられた方々に対しまして、衷心より哀悼の意を表したいと存じます。一日も早い復旧・復興を心よりお祈りをいたします。  また、浜田知事におかれましては、二期目の御当選まことにおめでとうございます。今後ともに、ふるさと香川のより一層の飛躍発展のためのさらなる御活躍を心よりお祈りいたします。  また、昨今大変に話題となっております人口減少問題につきまして、本年八月、我が自由民主党の国家戦略本部のもとに設置をされましたふるさとに人口と活力を取り戻すプロジェクトチームが提言を発表しましたが、この提言では、このまま地方から東京圏への人口流出が続けば、地方の需要の落ち込みによる雇用減が人口減少に拍車をかけるという負の連鎖に陥る可能性が高いことから、提言の第一において、持続可能な国であり続けるために、東京一極集中からの脱却を提言しております。  ここでは、隗より始めよとの考え方に立って、政府関係機関の諸機能の地方分散を進めるべきであり、さらに長期的な課題として、首都機能移転を本格的に検討するものとしております。また、地方での企業活動を加速させるため、我が国全体での税収額を確保した上で、税額控除などにより、東京と地方の税負担に差を設けるべきであるとしております。さらに、地方への分散は、地方の活性化だけではなく、東京圏の住民の生活環境を改善することにもつながるとしております。  私も、少子化対策には東京一極集中の是正が必要であると強く感じております。このためには、第一に、法人税を抜本的に制度改革し、売り上げを上げたところ、地方に税金が落ちるシステムや、本社機能を地方に移した場合の優遇措置などを導入すべきであり、第二点として、国の官庁機能を地方に移転することがぜひとも必要であると考えております。  目標値を定める主観的な政策も必要とは考えますが、それ以上に、税制改革や首都機能移転などの客観的で目に見える政策を、地方とともに国自身も力強く行っていただくことを強く要望して、一般質問に入らせていただきます。  質問の第一点目は、少子化対策についてであります。  本県の人口は、平成七年の国勢調査では百二万七千人余りであったものが、平成十二年の国勢調査から減少に転じ、平成二十二年国勢調査では九十九万五千人余りとなりました。今後、年少人口、生産年齢人口の減少が続くことにより、県全体の人口は減少すると見込まれており、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、平成三十七年には約九十万人、平成五十二年には約七十七万人と、大幅に減少すると推計されております。  こうした人口減少の背景には、大都市圏への転出超過による社会減も大きな要因ではありますが、一方で、出生数の減少、いわゆる少子化による自然減ももう一つの大きな原因となっております。本県の少子化の現状を見てみますと、厚生労働省による人口動態統計では、一人の女性が生涯に産む子供の数に相当する合計特殊出生率は、平成二十五年のデータでは本県は一・五九であり、現在の人口を維持すると言われている二・〇七を大きく下回っているのが現状であります。今後において、晩婚化、未婚化がさらに進み、出産期の女性はますます減少していくことが予想される中、少子化による自然減への対応が急務でありますが、少子化を解消するためには子育てしやすい環境づくりが必要であり、働く人も家庭に入る人も、誰もが安心して子育てを続けられる支援策が重要であることは論をまたないわけであります。  他県の事例を見てみますと、福井県では、三人以上の子供がいる家庭を応援し、経済的負担の軽減を図るため、三人目以降の子供について、子供が三歳に達するまでの間、保育所入所児童の保育料を無料化しているほか、保育所入所の対象とならない就学前児童を対象に、保育所での一時預かり、特定保育の利用料を無料化するなど、「ふくい三人っ子応援プロジェクト」と銘打ち、手厚い子育て支援策を行っているとのことであります。  私の周りでも、三人以上の子供を育てている家庭が数多くありますが、いずれも母親が専業主婦またはパート従業員の場合が多く、こうした方々からは、家庭での子育てに専念する人に対するさらなる支援が必要という声が数多く聞かれてまいります。このような要望を踏まえ、家庭での子育てへの支援を手厚くすることにより、子育てに専念したいにもかかわらず経済的な理由から働かざるを得ない、あるいは子供を諦めるといった家庭の減少が期待できるものと考えております。  一方で、仕事を続けていきたい、その中でキャリアアップを図っていきたいと希望しながら子育てをする方々にとりましては、仕事と子育ての両立が難しい問題であり、こうしたことが少子化の大きな要因の一つにもなっているものと考えられます。このようなことから、本県が行っている三歳未満の第三子以降の保育料免除を初め、保育環境の整備や保育所の待機児童対策などの支援策を引き続き実施していく必要があるものと考えております。  さらに、働く人が安心して子供を生み育てられるよう就労環境を整備することも重要な問題であります。このため、育児休暇の取得を推進することはもちろんでありますが、育児休暇を二年取得するとして、三人の子供を育てるとなると、十年近くのブランクとなり、キャリアアップには不利となることも事実であります。このような現状を打開するため、国、県とも、男性の育児休暇の取得率の向上を目指して各種施策を実施しておりますが、平成二十四年における男性の育児休暇取得率は全国で一・八九%と非常に低く、すぐには改善されそうにないのが現実のようであります。  このように、家庭に入り子供を育てる人、仕事を続けたい人、それぞれのケースに応じ、個々人が望むスタイルで支障なく子育てができる、多様な環境にマッチした施策が必要ではないかと考えております。  そこで、特に家庭で子育てをする人や、また、働きながら子育てをする人に対する支援について、どのように取り組むおつもりなのか、さらには、働く人が安心して子育てができるような就労環境の整備について、どのように取り組むおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二点目は、観光の振興についてであります。  知事は、就任以来、世界を魅了する観光立県香川の実現を目指し、さまざまな観光施策に積極的に取り組まれております。その中でも、平成二十三年度にスタートいたしました「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトは全国的に注目され、本県のブランドイメージ向上に大きく寄与しているところでありますが、今年度は新たに「新・時間旅行物語 恋するうどん県」と銘打ち、若い女性層を主なターゲットとして、瀬戸内海や四国遍路、老舗観光地やアートなどの情報を全国に向けて発信しています。また、このプロジェクトと連動して昨年実施をいたしました「うどん県・時間旅行物語」につきましても、今年度も引き続き、琴平や栗林公園、屋島といった老舗観光地を中心に誘客キャンペーンを展開しているところであります。  さらに、本年は、瀬戸内海が我が国最初の国立公園に指定されてから八十年の節目の年に当たることから、これを記念してさまざまなイベントが開催されております。とりわけ、この夏開催されました香川ウォーターフロント・フェスティバルでは、瀬戸内海の歴史や自然と最新のデジタルテクノロジーが融合したショーが話題を呼び、県外からの宿泊を伴う観光客の誘致にも一定の成果が上がったのではないかと考えております。  さらに、私は、こうした取り組みに加え、本県に来られた観光客の方々に対し、県内でのきめ細かな情報提供や、いわゆるおもてなしを充実することにより、訪れてよかった、また香川を訪れたいという気持ちを持っていただくことが極めて重要であると考えております。香川県に好印象を持っていただくことは再来訪のきっかけとなりますが、単にリピーターの拡大につながるだけではなく、その評判は口コミとなって広がっていきます。最近では、フェイスブックやツイッターなど、いわゆるソーシャルメディアの普及により、口コミ情報は瞬く間に多くの人に共有され、訪れてよかったという評判はどのような広告にもまさるPRとなって、新たな観光客需要の誘発につながることが期待できます。  このような中、県では本年六月、琴平に、年末までの期間限定ではありますが、観光情報の発信拠点として、「ことひら浪漫館」を開設しました。言うまでもなく、琴平は、全国から年間二百五十万人以上の観光客が訪れる、本県を代表する観光地であり、その琴平において、観光客ニーズへのきめ細やかな対応を行うとともに、県内各地の観光情報の発信を行う拠点を整備することは、滞在型・周遊型観光の促進の観点からも大変にメリットがあるものと考えております。  この琴平における情報発信拠点の今後のあり方について、さきの議会での私の一般質問に対して、知事は、「ことひら浪漫館の運営においてノウハウを蓄積するとともに、課題の把握に努めながら、今後のあり方について、琴平町とも協議しながら検討を進めてまいりたい」と答弁をされましたが、その後の検討状況についてお伺いいたします。  また、本県に来られた観光客の方々へのおもてなしの充実につきましては、観光関係や交通関係の事業者を初め、幅広い層の皆さんに御協力いただき、接客意識や接客態度、サービスの向上などに取り組む必要がありますが、単なるかけ声だけに終わったのでは、観光客の心に届くようなおもてなしの充実は、到底実現できないものと考えております。  観光分野における地域間競争が激しさを増す中、選ばれ続ける香川県であるためには、先を見据えて戦略的に取り組むことが重要であり、おもてなしの充実などによる観光客の満足度向上についても、県が主体となって、県民を挙げての総合的なおもてなしの機運の醸成に取り組んでいく必要があるものと考えますが、この点についてどのように取り組むおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三点目は、商工会の充実についてであります。  本年四月に公表されました二〇一四年度版中小企業白書から、本県の企業の状況を見てみますと、中小企業が企業数では全体の九九・八%、従業者数では八一・九%を占め、その中でも、小規模企業が企業数で全体の八七・七%を占めていることからいたしましても、こうした中小企業は本県の経済や雇用を支える極めて重要な存在であり、いかにその活性化を図っていくかが本県経済にとって大変に重要な課題であると言えます。  また、本年四月から消費税が五%から八%に引き上げられましたが、増大する社会保障などの財源を確保するためにはいたし方ないとはいえ、来年後半にはさらに一〇%への引き上げが検討されており、地元中小企業にとっては、引き続き予断を許さない経営環境が続くこととなっております。さらに、私自身、中小企業の経営者からその現状を聞く機会が多々ありますが、海外との競争の激化や大規模小売店舗の進出によるオーバーストアなどにより経営環境が厳しさを増す中で、経営者自身も高齢化し、少子化の影響などで後継者も見つからず、経営はマンネリ化し、新しい事業にも挑戦できない、じり貧の状況にあるという声が多く聞かれます。  このように中小企業を取り巻く厳しい状況を鑑みますと、県がこれまで取り組んできたような新規事業への挑戦を支援することも重要であるとは思いますが、既存の産業・商業を守るような施策も大変に重要ではないかと考えております。折しも国におきましては、本年六月、小規模企業振興基本法が成立しましたが、この法律は、小規模企業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に、そして国、地方公共団体、支援機関等が一丸となって戦略的に実施するため、政府が基本計画を閣議決定し、国会に報告するなどの新たな施策体系を構築するものであります。  また、あわせて、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律が改正されました。これは、半世紀以上にわたり小規模事業者の経営相談に応じてきた商工会及び商工会議所が、小規模事業者による事業計画の策定を支援し、着実にフォローアップを行う伴走型の支援を行いながら、小規模事業者の意欲ある取り組みを強力に支援するための体制整備を図るものであります。さらには、市町村や地域の金融機関との連携を強化するとともに、地域産品の展示会の開催など地域の活性化にもつながる面的な支援を通じ、小規模事業者の活動を支援していくことを目指しています。  こうした法改正を受け、商工会の果たすべき役割はこれまで以上に大変に大きくなることが容易に想像できます。これまで商工会では、地域の小規模事業者に対して、巡回・窓口相談を中心に、経営の実務に関する相談への対応を中心とした支援を行うとともに、観光振興や特産品の開発など地域の活性化にも取り組んできたほか、国の補助金などの支援策の窓口となったり、国や県、市町の施策・事業の周知の役割も担っているところであります。  そこで、こうした商工会をめぐる環境の変化の中で、商工会の支援・指導体制の充実について、県としてどのように取り組むおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四点目は、ため池の防災・減災対策についてであります。  雨の少ない本県におきましては、古くから、ため池や農業用水路などの建設が盛んに行われてきました。特に、ため池につきましては、山間部から平野部に至るまで、一滴の水も無駄にすることのないよう、数多く築造され、その数は大小合わせて約一万四千カ所にも及び、県土に占めるため池の密度は一平方キロメートル当たり約七・八カ所と、全国第一位となっております。また、ため池は、農業用水の水源として欠くことのできない施設であると同時に、さまざまな生物の生息地でもあり、地域の親水空間、地下水の涵養、洪水を緩和するなどのさまざまな役割を持った、まさに本県にとって重要な財産であると言えます。  私の地元の満濃池も、丸亀平野における約二千七百ヘクタールの農地の水源として地域農業を支えているほか、住民の憩いの場、親水空間として、また、毎年六月中旬に行われるゆる抜き式には多くの見物客が訪れるなど、こんぴらさんと並ぶ観光資源としても、地域産業の発展に大きく貢献している施設となっております。この満濃池は、大宝年間に築造され、幾度か決壊を繰り返しながらも、昭和三十年代のかさ上げ工事等により現在に至ったものとお聞きしておりますが、多くのため池は江戸時代につくられ、築造後数百年を経過しているなど老朽化が進んでおり、老朽ため池の整備は本県の重要課題として推進されてまいりました。  また、我が自民党議員会では、本年度、「池メンプロジェクト」と称して、ため池に係る勉強会をこれまでに二回開催し、学識経験者を講師に迎え、ため池の多面的機能と地域的役割や、ため池が築造された歴史背景から高度な水管理に至る讃岐のため池文化等について、見識を深めているところであります。  一方、県内では、農業従事者の高齢化や減少に伴い、管理放棄された中小規模ため池も多く見られ、台風や大雨により堤防ののり崩れなどの災害が数多く発生していることから、災害を防止するための防災対策が強く求められております。こうしたことから、耐震対策を含めた総合的なため池の防災・減災対策につきましては、県民の関心も相当高まってきているものと考えております。  このような中、県では昨年六月に、老朽ため池整備促進第十次五カ年計画を策定し、老朽ため池の整備、大規模ため池の耐震化、中小規模ため池の防災対策に取り組んでいますが、いつ発生してもおかしくない南海トラフ地震などに対応するためにも、早急に進める必要があるものと考えております。また、万が一ため池が決壊した場合にも、人命などの被害を最小限に食いとめるためには、ため池の防災・減災対策をソフト面から推進するため池ハザードマップの作成が重要であると考えております。  現在、県内では、ため池のハザードマップの作成が進められており、家庭への配付や説明会の開催などが各地域で行われているものとお聞きしております。この、ため池のハザードマップは、地域の防災体制を確立していく上で非常に有効なマップとなるものであり、早急に作成して公表し、地域において周知徹底していく必要があるものと考えております。  そこで、第十次五カ年計画に沿ったため池の防災・減災対策の現状や、ため池のハザードマップの作成と公表状況、さらには今後の取り組みについて、知事の御所見をお伺いし、私の一般質問を終えさせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)氏家議員の御質問にお答えいたします。  まず、少子化対策についてであります。  核家族化の進行や共働き家庭の一般化の中で、少子化を解消するためには、仕事と子育ての両立を支援し、子育てしやすい環境を整えることが重要であると考えております。このため、県では、保育士人材の確保などにより保育所の待機児童対策に取り組むとともに、就労形態の多様化に対応するため、事業主体である市町が実施する延長保育や休日保育を支援しております。  また、家庭で子育てする方々に対しましては、保育所などに併設した地域子育て支援センターにおいて子育てについての相談などを行う地域子育て支援拠点事業や、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった乳幼児を預かり必要な保護を行う一時預かり事業などを実施する市町に助成するほか、子育て家庭が安心して外出できるよう、おむつがえ設備や子供用トイレなどを備えた店舗などを「かがわこどもの駅」として認定し、ホームページにより周知するなどの支援を行っております。  来年四月から、全ての子供及び子育て家庭を対象とした子ども・子育て支援新制度が実施予定であり、県といたしましては、制度を円滑に運用するとともに、家庭での子育てを含め、地域における多様なニーズに応えられるよう、市町と連携しながら、家庭の状況に応じた総合的な子育て支援の充実を図ってまいります。  一方、働く人が安心して子育てをするためには、就労環境を整備することが重要であることから、これまでも、企業に対して、育児休業制度の規定整備や、次世代育成支援対策推進法に基づき従業員の仕事と子育ての両立のための環境整備などについて目標や対策を定める一般事業主行動計画の策定を働きかけるとともに、優良企業の表彰や、ワーク・ライフ・バランス導入マニュアル、先進事例集等を活用した普及・啓発などを実施してまいりました。また、先月には、女性の力を地域の活性化に生かすために立ち上げた女性が輝く香川づくり推進懇談会におきましても、今後、働きたいと願う女性が結婚、出産を経ても安心して働き続けられる就労環境について、議論を深めることとしております。  県といたしましては、家庭での子育てを望む方、働きながら子育てをしたい方、全ての子育て家庭を支援することにより、若者が安心して子供を生み育てることができる子育て県かがわの実現に向けて、少子化対策に全力で取り組んでまいります。  次に、商工会の充実についてであります。  商工会は、経営指導員などによる窓口相談や巡回訪問により、小規模事業者等の金融、税務及び経営に関する指導や記帳指導などを行い、経営の改善支援に大きな役割を担うとともに、県内商工業の振興や地域の活性化などにも取り組んでいるところであります。  こうした中、議員御指摘のとおり、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の改正により、これまで小規模事業者に行ってきた経営の改善支援に加え、新たに、経営の発達を支援するため、市町や金融機関などの支援機関と連携しつつ、経営状況の分析、事業計画の策定・実施支援、市場調査支援、展示会等の開催の四つの事業を行うこととなったところであります。  商工会がこうした事業を実施するためには、経営指導員が小規模事業者の経営状況を分析し、その分析結果に基づき、需要を見据えた事業計画を策定するための指導や助言を行う能力を強化する必要があります。加えて、経済動向の情報収集や展示会の開催などを効果的に実施するため、支援機関と連携・調整を行う機能強化も求められております。  このため、県といたしましては、各商工会の経営指導員に対する研修を実施する県商工会連合会に対し、小規模事業者の経営状況の分析や、事業計画の策定等を指導する能力を強化するための研修が一層充実するよう働きかけるとともに、必要に応じ、県からも講師を派遣いたします。さらには、各商工会に対しては、支援機関とも連携しつつ、経営の発達を支援する事業が実施されるよう、個別の小規模事業者が持つ強み、弱みや支援ノウハウ等に関して、支援機関との情報共有を促してまいります。  私といたしましては、県商工会連合会と連携し、小規模事業者の経営の発達の支援に大きな役割を果たすことができるよう、商工会の支援・指導体制の充実に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ため池の防災・減災対策についてであります。  本県には、御指摘のとおり、一万四千六百カ所余のため池があり、南海トラフ地震などの災害に備え、ため池の防災・減災対策を強力に進めていく必要があると考えております。このため、県では昨年六月、これまでの老朽ため池整備促進五カ年計画の老朽ため池の整備に加え、大規模ため池の耐震化整備や中小規模ため池の防災対策の促進の新たな取り組みを加えた三本柱を基本方針として、第十次五カ年計画を策定し、ため池の総合的な防災・減災対策を計画的に推進しております。  老朽ため池の整備については、計画総数百七十カ所に対して、計画の初年度となる昨年度は三十九カ所を整備し、今年度は三十六カ所の整備が見込まれるなど、順調な実施状況となっております。  また、大規模ため池の耐震化整備については、平成二十三年度から、十万立方メートル以上の大規模ため池百三十七カ所の堤体のボーリング調査や耐震診断を順次実施するとともに、その結果をもとに、ため池耐震化整備検討委員会で、これまでに三十二カ所のため池の安全性を検討し、耐震化補強工事が必要と判断されたため池は九カ所となっております。そのうち、さぬき市の石神池につきましては、来月下旬から補強工事に着手することとしており、今後、残る百五カ所についても順次安全性を検討し、耐震化補強工事が必要なため池については、翌年度に工事を実施することにより、平成二十九年度をめどに耐震化整備を完了させることとしております。  中小規模ため池の防災対策につきましては、五千立方メートル未満の中小規模ため池の計画総数百カ所に対して、昨年度に制度化した県単独の小規模ため池防災対策特別事業を活用し、昨年度は十カ所を、今年度は二十七カ所の取り組みが行われる予定となっているなど、災害の未然防止を図る観点から、積極的な促進に努めております。  また、ため池のハザードマップ作成につきましても、県は平成二十三年度から八市五町の取り組みを支援し、昨年度末までに、計画していた大規模ため池百八十カ所を含む二百一カ所全てでハザードマップの作成を終え、これまでに百七十カ所で公表されており、残る三十一カ所についても、今年度末までに地元調整を図った後、順次公表される予定となっております。  県といたしましては、第十次五カ年計画に沿って、老朽ため池の整備や大規模ため池の耐震化整備、中小規模ため池の防災対策に計画的に取り組むとともに、ハザードマップを活用した地域での避難行動体制の確立が早急に図られるよう支援を行うなど、今後とも、ため池の総合的な防災・減災対策の積極的な推進に努めてまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、観光交流局長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)安松観光交流局長。    (観光交流局長安松延朗君登壇) ◯観光交流局長(安松延朗君)氏家議員の、観光の振興についての御質問にお答えいたします。  観光客の誘致を図るためには、議員御指摘のとおり、県外へ向けた情報発信や誘客イベントの開催に加え、本県に来られた観光客の方々に対し、現地でのきめ細かな情報提供やおもてなしを充実することにより、香川に来てよかった、また香川を訪れたいという気持ちを持っていただき、リピーターの拡大や口コミ情報の拡散による新たな観光需要の誘発につなげていくことも大変重要であると考えております。  このようなことから、本年六月、琴平に、観光案内や観光情報の提供を行うことひら浪漫館を開設し、十二月末までの間、県内各地の観光パンフレットの配布や、「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトの映像の上映、うどん県おいでまいキャラバン隊によるパフォーマンスなどにより、香川の観光名所等の見どころや旬の情報についての積極的な発信に努めているところであります。  このことひら浪漫館には、六月二十六日の開設から九月末までの約三カ月間で延べ約五千人の方々が来館されており、県内最大の観光地である琴平において県内各観光地の情報発信を行うことは、滞在型・周遊型観光を推進していく観点からメリットがあると考えております。一方で、現在の情報発信拠点は、表参道を歩く観光客からわかりにくいといった課題もあることから、場所の移設も含めて、現在、地元琴平町と、継続設置について協議を進めているところであります。  また、おもてなしの充実については、県としても、観光立県香川の実現のために欠かせない施策の一つであると考えており、香川県観光協会やわがかがわ観光推進協議会などと連携を図りながら、観光施設や宿泊施設はもとより、鉄道、バス、タクシーなどの交通機関や飲食店、土産物店なども含めた全県的なおもてなし機運の醸成に向けた体制づくりについて、検討を進めてまいります。(降壇)
    ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁は終わりました。    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)暫時休憩いたします。                         午前十一時五十四分休憩                         午後 一時  七分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    高  田  良  徳 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会委員  川  東  祥  次 君           警察本部長    木  下  慎  哉 君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会委員  東  条  正  幸 君           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  佐伯明浩君。    (佐伯明浩君登壇、拍手) ◯佐伯明浩君 この夏に、知人の国会議員と、シンガポールへ複合型リゾート施設IRの視察に行ってまいりました。カジノ、ブランドショップが軒を連ねているショッピングモール、レストラン街、そしてフードコート、あわせまして高級ホテルが建ち並び、その横には水族館、またテーマパークがありました。本当に一つのすばらしい観光施設だったと思います。  香川県にも、瀬戸大橋、瀬戸内海の多島美、栗林公園やこんぴらさんといったすばらしい観光資源がありますが、これからは、単品、一つではなかなか観光客やリピーターの方の心をわしづかみにできないと思います。やはり、いろんな付加価値をつけて、今からは観光資源をつくっていかなければいけないと痛感をいたしました。  そして、日本大使館に行き、大使の方ともいろいろお話をさせていただきました。シンガポールというのは、言うまでもなく大変国土面積が小さく、歴史が浅く、そして資源のない国である、ですからいつも危機感を持っていろんな対策に臨んでいるということを言っておりました。いろんな施設をつくり、観光施設をつくり、外国から観光客を呼び込み、インフラ整備をし、金融機関を中心としたすばらしい企業を誘致する。また、チャンギ国際空港は乗り継ぎ便が非常に多いのですが、その乗り継ぎの間にいろいろな方に買い物をしてもらうために巨大なショッピングモールをつくっておりました。言い方は悪いですが、貪欲に外貨を稼いでその国の資源にするということをやっておりました。  香川県も、国と県の違いはありますが、非常に面積が小さく、すばらしい観光資源がいっぱいあります。観光資源を整備し、県外、国外から観光客を誘致し、そしてインフラ整備を行い、県内の優位性、特異性を出して、県の地域産業を振興し、また、県外から企業を誘致する、そういうことが重要ではないかと思います。そのためには、やはりいろいろなところに出向いていくということが大事だと思います。いろんな現地に行って、この目で見て、この耳で聞いて、そして現地の方々といろいろと対話をする、そういった視察は非常に重要ではないかと思っておりますので、これからもいろんなところに視察に行って、県勢の発展のために努めてまいりたいと思います。  そして、三人の方のノーベル賞受賞が決定されました。心からお喜びを申し上げます。本当に元気のない日本にすばらしいニュースではなかったかと思います。  その三人の先生方が、同じことを言っておりました。「何回も失敗して何回も挫折した。だが前に進んだ」、長い人生、私でも時には心が折れそうにへこむこともあります。しかし、めげずに頑張っていこうと思いました。これからも一生懸命努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げ、県政の重要課題につきまして順次質問をさせていただきます。  質問の一点目は、地域づくりの推進についてであります。  まず、地域コミュニティーの活性化についてお伺いいたします。  ことしの五月に、日本創成会議が、二〇四〇年における全国の市区町村の推計人口を発表いたしました。それによると、地方からの人口流出が続くと、全国の八百九十六の市区町村で二十歳から三十九歳の若年女性人口が半分以下になり、これらの市区町村では、幾ら出生率が上がっても、消滅する可能性が高いとのことであります。本県でも、高松市で若年女性人口が四〇・五%減少、観音寺市で五〇・二%の減少が見込まれるとされております。実に、本県の十七市町のうち九市町で若年女性人口が半数以下になるというショッキングな発表でありました。  人口減少・少子高齢化、東京への一極集中をこのまま放置すると、大変なこととなります。安倍政権でも、元気で豊かな地方の創生に全力を挙げることとし、地方創生担当大臣が置かれ、さらに、まち・ひと・しごと創生本部が設置されました。この秋の臨時国会では、関連法案が提出され、今後、各種施策が打ち出されるものと考えられます。  しかし、現在の地方の現状といえば、都市化が進み、それぞれの価値観が多様化する中、地域の連帯感が希薄となり、本来地域が持っているはずの相互扶助の機能が低下をしております。昔は、近所の人が集まる寄り合いの場所が多くあり、そこでたわいない話をしながら、悩みを相談したり聞いたりしたものであります。でも、今はそんな場所がすっかりなくなったのではないでしょうか。  そのような状況の中、人口減少、少子高齢化も進んでいくと、今までは近所の人が助け合い行っていたお年寄りや子育て家庭へのサポートについても、さまざまな問題が生じてまいります。そこで、今こそ地域コミュニティーの必要性が求められているのではないでしょうか。  そんな中、私の地元であります観音寺市では、商店街の人たちが中心となって、平成二十三年に、まちなか活性プロジェクトRe:born.Kというプロジェクトを立ち上げ、まちづくりのコーディネーターを招き、地元の人みずからがまちづくりを考えるワークショップをしております。そこには、ベテランの商売人から若き起業家、大学生といったさまざまな世代、立場の人が参加しており、子育てのNPO法人などの関係団体とも連携して活動しております。そこでは、まちづくりの活動に参加することによって、多種多様な人や団体との交流が生まれ、地域コミュニティーが活性化しているとお聞きをしております。  また、塩江町では、NPO法人が中心となって、かつて銘茶の産地だった地元茶畑の再生やステージ鑑賞などを行うことにより、仁尾町では、古民家再生を核とした地域資源の掘り起こしやそれに関連するイベントの開催といった形で、地域コミュニティーの活性化に挑んでおります。  このような活動により地域コミュニティーが活性化すれば、その地域は、お年寄りが生活しやすい、子育て家庭が子育てをしやすい環境となり、ついては、知事が掲げる笑顔で暮らせる香川、笑いのある香川、ユーモアの持てる香川となるのではないでしょうか。本県では移住も推進していますので、移住者を受け入れやすい環境にもなると思います。  全国でも同様に、さまざまな地域コミュニティーの取り組みが行われていると聞いております。恐らく県内でも、地域コミュニティーを活性化させたいがどうしたらいいかわからないと悩んでいる地域も多くあると思われます。うまくいっている活動を紹介し、ノウハウを提供するだけでも、十分支援になるのではないでしょうか。  そこで、知事にお尋ねしますが、地域コミュニティーの重要性についてどうお考えなのか、そして、その活性化についてどのような対策をとっていくのか、お考えをお聞かせください。  次に、過疎地域における物流対策についてであります。  物流といえば、地方創生の流れの中で、山間部や離島の過疎地域などにおいて、その物流サービスの提供の維持が課題となっているとお聞きいたします。具体的には、少子高齢化などを背景として過疎化が進みつつある地域では、物流の効率化が低下する一方で、車を運転しない人の増加に伴い、日用品の宅配といった生活支援サービスのニーズは高まっております。全国の過疎地域などにおいては、当該地域で配送を行う物流業者とNPO法人などの協力による宅配サービス維持改善や買い物難民支援にも役立つ新たな輸送システムを求める声が上がっていることもお聞きいたします。  そして、このようなニーズを捉え、施策を実現していくために、事業者任せにしていては進まず、一方で、NPO法人だけでも負担に耐えられず、進みません。四国の中でも高知県は、県庁や市町村が積極的に取り組みを進めているとお聞きいたします。例えば、ある山間部の町では、買い物をした商品の宅配とそれにあわせた御用聞き、必要な場合には店舗への送迎を行っておりますが、今後はさらに、店舗への送迎バスの運行や、それを活用した農産物集荷も検討を進めている模様であります。また、ある市では、農産物の集荷、地元商店からの商品配達、移動販売、これにあわせた集金や見守りサービス需要に応えているが、今後はデマンドバスを活用して貨物を運べないものだろうかと検討が行われているともお聞きいたします。  国土交通省でも、来年度概算要求で、熱心な自治体と連携して、こういう過疎地域での新たな物流システムの構築のため、モデル事業を実施し、オペレーションの課題や対応策の検討を行う予定とお聞きします。本県でも、山間部や離島の過疎地域などでは同様なニーズも発生しているのではないかと思いますし、人口減少・少子高齢化の中で、ますますこういった点への考慮が必要と考えます。  このような事例に限らず、過疎地域などの生活サービスの維持がこれからも重要なキーポイントとなると思いますが、知事は、地方創生の大きな流れの中でどのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。  質問の二点目は、交通インフラの整備についてであります。  まず、高松空港発着の航空路線の拡充強化についてお伺いをいたします。  交流人口の増大には、交通の利便性の追求と、本県を訪れる観光客の増加を図る施策の重要性は言うまでもありません。この観点から、交通インフラ整備の充実が大切であります。そこで、高松空港発着の航空路線の拡充強化が重要であります。  八月から、春秋航空日本が高松・成田路線を開設しました。私は従前から、成田路線の重要性を訴えてきました。成田と結ぶことによって、成田空港の豊富な国際ネットワークと接続し、本県が世界に大きく開かれることとなり、成田を通じて日本を訪れる多くの観光客の本県誘致の可能性が広がり、交流人口の増大につながるわけであります。おくれたとはいえ、幸い無事に路線開設に至ったことは、知事を初め県当局の御努力のたまものと考えます。  しかしながら、当初は一日二往復としていたものが、一日一往復にとどまっております。ジェットスター・ジャパンが一日二往復を既に運航しているとはいえ、旅客の利便から見ても、ぜひ、この路線の強化に向けて、せめて、まずは一日二往復を実現すべく、さまざまな努力を続けてほしいと思いますが、知事の決意はいかがでしょうか。  また、台湾、上海、ソウルを初めとして、高松からダイレクトに他国につながっていることの重要性は言うまでもありません。国際線の拡充強化に向けた取り組みについて、あわせて御所見をお伺いいたします。  次に、四国の鉄道の高速化について質問いたします。  四国の鉄道の高速化、なかんずく高松と本州を結ぶ鉄道の高速化の重要性も、私が以前から何度も主張しているところであります。香川の鉄道の高速化は、広島、岡山のみならず、大阪、京都、奈良や九州を訪れる外国人観光客の本県来訪を促す強力な武器となります。  本県には、香川県JR四国線複線電化・新幹線導入期成同盟会があります。また、平成二十三年に行われた四国の鉄道活性化への提言などを踏まえて、各種の路線パターンに応じて事業費、需要見込み、費用便益(B/C)分析や経済波及効果の試算が行われております。さきの通常国会でも、政府の見解では、具体的な動きに至るまでにはまだまだ高いハードルがあるといった課題も指摘されております。  しかしながら、来年の北陸新幹線開業、再来年の北海道新幹線開業と続く中、このままでは四国四県のみが新幹線の恩恵にあずかれない地域となります。今、四国には、日本一遅い新幹線というユーモア列車が予土線を走り、多くの旅客が訪れているのはほほ笑ましいニュースではありますが、その時期を逃せば、永遠に四国に導入はあり得ません。  この問題にどのように取り組む覚悟があるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
     質問の三点目は、観光対策と人権意識についてであります。  交流人口の増大を目指し、観光客を誘致する観点からは、きちんとした観光戦略を打ち出して、本県のすぐれた魅力、他県にない特徴をうまく引き出し、広報、PRをするとともに、草の根ベースでの交流、観光協会同士の交流なども重要であります。この春に、香川県観光協会と台湾観光協会で友好交流協定が締結され、さまざまなイベント、行事が行われたとの報道もありましたが、こういう地道な努力も重要であります。  香川には、讃岐うどん、オリーブ、希少糖、農林水産物など数多くのグルメ食品があり、どう生かしていくかも課題かと思います。また、四国には、八十八カ所の霊場をめぐる四国遍路という貴重な観光資源もあります。  スペインに詳しい私の知人によると、スペイン北部にはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路という世界遺産があり、安倍総理もスペイン訪問時に立ち寄られております。この巡礼路は、スペイン北部を横断する約八百キロメートルの巡礼路であり、その途中の巡礼博物館には、四国遍路を紹介する展示室もあるということであります。ぜひ我が遍路道も「四国八十八箇所霊場と遍路道」として世界文化遺産に登録されますよう、さまざまな活動を続けていただきたいと思います。  一方で、残念なことですが、この春には、この遍路道の休憩所などに外国人中傷の張り紙が張られ、全国的にも報じられました。これは大変残念なことであり、世界文化遺産登録に向けた動きに水を差すことはもとより、偏見や差別をなくし、多様な文化、習慣、歴史を持つ外国人と共存するという教育的見地、国際化都市香川にふさわしい理念の実現、人権意識の啓発といった観点からも問題がありました。  知事は、こういった問題にどう取り組み、県民の健全な人権意識をどのようにし、そして貴重な遍路道という観光資源をどのように盛り上げていこうとされているのか、遍路道や瀬戸大橋、栗林公園、屋島、金刀比羅宮、四国こんぴら歌舞伎大芝居、瀬戸内海の多島美といった観光資源、先ほど挙げた多くのグルメ食品などをどのような戦略を構築して交流人口の増加につなげようとされているのか、御所見をお伺いいたします。  質問の四点目は、企業誘致についてであります。  定住人口の増大、雇用の確保などの見地からは、企業の誘致や産業の振興が重要であります。  一例を挙げますと、番の州臨海工業団地の県の分譲地に、流通大手のイオンが、四国をカバーする新たな物流拠点を整備し、最大六百人の雇用が確保されるとも聞いております。この実現に向けては、県当局も、本県立地の優位性や利点の発揮に向けたインフラ整備や、当該企業に対する各種の働きかけをし、実現にこぎつけたものと推察いたします。この流れを生かし、さらに活発な企業誘致が進むことが望まれます。  そこで、どのような目標のもと企業誘致を進めようとされているのか、また、その具体的な方策としてどのようなものをお考えか、取り組む上での課題とクリアする方策や気構えとあわせて御所見をお伺いいたします。  質問の五点目は、農水産品の海外での販路拡大及び認知度向上についてであります。  本県では、多くのすぐれた農水産品が生産されており、海外に進出し、販売ルートを多様化させるとますます競争力の上がる農水産品がたくさんあります。そして、そのことが、本県の競争力の強化、産業振興、定住人口の維持増大につながります。  うどん、オリーブ、オリーブ牛、オリーブハマチ、讃岐三畜、レタス、ニンニク、マーガレットを初めとする花、すばらしいフルーツ各種、米、いりこ、瀬戸内海の地魚など、枚挙にいとまがありません。まさにKPP、香川プラチナプレミアムブランド産品ばかりであります。  あとは、これらの販路開拓と、適切な輸送手段の確保、すなわち鮮度を維持し、損傷をなくし、そしてスピーディーに輸送するという課題を解消することです。特に、販路開拓と、その前提となる香川県産農水産品の認知度向上が不可欠であります。  海外でセミナーやシンポジウム、物産展などのイベントを開き、現地バイヤーや輸入業者、卸売、小売業者との関係強化を図るなどの積極的な取り組みが必要ですが、零細な個々の農水産業従事者だけに任せていてはなかなか前に進みません。やはり、県が前面に立ち、農林水産省やジェトロとも適切に連携し、セミナーの開催や物産展などの参画を初めとする認知度向上と販路開拓に手をかす必要があると思います。  そこで、県はこれらの課題にどのように取り組むのか。知事には、本県のすぐれた農水産業従事者に勇気と元気を与えるような前向きな御答弁をお願いいたします。  質問の六点目は、二〇一五年ミラノ国際博覧会日本館への出展についてであります。  本県の農水産品の世界的な認知度向上に役立つまたとない機会があります。来年五月から約半年間、イタリアのミラノで国際博覧会が開かれます。テーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを」であり、約百四十の国と国際機関が参加いたします。このような大規模な国際イベントに、香川県が、四日間という短い期間ではありますが、イベントを展開し、本県の農水産品や食品を紹介できる絶好の機会であります。  留意すべきは、この万博は物産展などとは異なり、物産の紹介にとどまらず、日本らしい我が県の文化や歴史、自然の紹介をし、さらに和食のPRにも資する、そういった観点からの取り組みが重要です。二十一世紀の万博は、地球規模の人類が抱える課題への解決に向けたメッセージを発信することが主眼であります。  我が国も参加しますが、日本館では、「いただきます、ごちそうさま、もったいない、おすそわけの日本の精神が世界を救う」というサブメッセージのもとに展開されます。折しも、和食は昨年のユネスコ世界無形文化遺産に登録され、世界の注目も集まっております。このようなコンセプトをきちんと理解し、本県も理念とストーリーを持ったイベントの展開に心がけてほしいと思います。単に物産を展示するといった表面的で早計な取り組みにはしてほしくないと思います。  本県には、風光明媚で穏やかな自然やお接待の心があり、屋島や栗林公園、金刀比羅宮、瀬戸大橋、銭形砂絵などの観光地、盆栽や漆器、そして讃岐うどんなど日本を代表する名物料理もあります。これらをいかにストーリーを持ったイベントに仕立てるか、県庁の皆様の英知を集めて取り組んでほしいと思います。そして、そのことが結果として、香川の農水産品の輸出販路の拡大や香川県産品の認知度向上に資することにつながっているのです。  さらには、毎年増加しております訪日観光客が、それを食べてみようと本県に立ち寄り、また、おいしいからお土産に買って帰る、そして、二〇二〇年のオリンピックパラリンピック東京大会の訪問客にも多く来てもらえる、こういう好循環につなげられるわけであります。このことは、我が県産品の輸出競争力の強化にも資するところでありますし、我が県の交流人口の拡大に資するものであることは言うまでもありません。  そこで、ミラノ国際博覧会日本館への本県の出展の成功に向けての知事の決意、意気込みをお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)佐伯議員の御質問にお答えいたします。  まず、地域づくりの推進のうち、地域コミュニティーの活性化についてであります。  地域コミュニティーは、地域住民が生活している場所で、自治会や婦人会、まちおこし団体など多様な主体が、それぞれ防災・防犯や子育て、環境美化、伝統行事などにかかわり合いながら、住民相互の交流が行われる地域集団であり、地域住民の協力が不可欠な課題の調整や世代間交流の場として、生活における基盤を形成する極めて重要なものであると考えております。  しかしながら、人口減少や少子高齢化の進行による地域コミュニティーの担い手の減少や生活様式の変化により、人と人とのつながりや支え合う力が弱まっており、平成二十五年に実施した地域活動に関する県民の意識調査でも、「地域のつながりが薄れている」、「他人の関与を歓迎しない人が多くなった」等の回答が高い割合を占めるなど、地域コミュニティーに対する県民の意識は大きく変化しており、このままの状態が進んでいけば、地域コミュニティーが本来持っている相互扶助の機能が低下し、高齢者や子育て家族に対する支援や環境保全、防災・防犯など、住民生活に直結するさまざまな課題の発生が懸念されるところであります。  このため、県では、住民が主体となって互いに協力し、みずからが考えて取り組むコミュニティーづくりが実効性の高いものとなるよう、地域コミュニティー活動に対する支援や地域づくり人材の育成に向けた取り組みを積極的に進めております。  具体的には、住民等が主体となって実施する地域コミュニティー活動のモデルとなる取り組みを支援する地域コミュニティー活動支援事業を昨年度から設けており、これまで、塩江町の茶畑再生等に取り組むNPO法人や、体験型プログラムによる交流人口の増加などに取り組む観音寺商工会議所青年部などの活動を支援しているところであります。また、県内地域コミュニティー団体の取り組みを広く情報発信し、団体相互の活動の活性化や交流の促進を図るため、コミュニティー団体の活動を紹介するウエブサイトを新たに構築したほか、人材育成セミナーを開催するなど、地域づくりの担い手の育成にも努めております。  今後とも、笑顔で暮らせる香川の実現のため、地域コミュニティーの活性化に向けて、各市町や地域住民の方との連携も図りながら、積極的かつ粘り強く取り組んでまいります。  次に、過疎地域における物流対策であります。  過疎地域や離島などにおいては、人口減少や高齢化が他の地域に比べ一段と進展しており、このような条件不利地域においては、今後、集落の存続が脅かされることが予測されます。  このような状況の中、これまでに県においては、過疎地域や離島などにおける買い物が困難な高齢者等に対して民間事業者等が広域的に買い物支援事業を展開する際の初期投資に要する経費の支援を実施し、現在、本島など五つの離島を含む七市六町で移動販売や買い物送迎などが行われているほか、まんのう町などでは、町独自の取り組みとして、通院や買い物などの移動手段の確保のため、デマンドタクシーを運行しております。また、今年度は、過疎地域等の自立活性化の取り組みを支援する国の補助制度を活用して、高松市の男木地区コミュニティー協議会において、同協議会スタッフによる週三回の食料品を中心とした買い物代行サービスが開始されており、現在、島内には食料品を扱う商店が一カ所で、取扱品目も限定されていることから、好評であり、利用者数もサービス開始当初より増加しております。  今後とも、過疎地域を初めとする条件不利地域の集落機能を維持して、地域の活性化を図るため、市町と連携し、議員御指摘の他県の事例や国の制度も参考としながら、市町や地域住民等が主体となって実施する、主に買い物支援を中心とした物流対策など、生活サービスの維持・確保に向けた取り組みに対して支援してまいりたいと考えております。  次は、交通インフラの整備のうち、航空ネットワークの拡充強化についてであります。  成田線については、昨年十二月に、一日二往復で就航したジェットスター・ジャパンに続き、八月には、春秋航空日本が一日一往復で就航し、ダブルトラック化が実現いたしました。私も成田線を利用いたしましたが、若い世代を中心とした利用者が多く見られ、LCCによる成田線の就航は、今までにない新たな利用者層の開拓につながっているものと実感したところであります。  御指摘の春秋航空日本については、乗務員数の不足等の理由から、現在、一日一往復にとどまっておりますが、一日も早く万全の態勢を確保していただき、当初計画どおり一日二往復の運航が実現するよう、引き続き働きかけを行っていく必要があると考えております。同時に、増便に向けては、路線の一層の浸透を図る必要があると考えており、これまでの県内外での路線PRに加え、今後は関東圏においても、大規模商業施設でのイベントの実施や、旅行雑誌、女性誌などを活用したPR活動を展開し、LCC路線就航の効果が拡大できるよう積極的に取り組んでまいります。  国際線については、全国的に海外からの訪日外国人客数が増加している傾向を踏まえ、今月二十六日から高松空港においても、海外からの乗り継ぎ利用の拡大や、週末利用が容易となるダイヤとなることから、外国人利用者を取り込めるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。中でも上海線については、深センに延伸されることとなっており、中四国では唯一の中国華南地域への路線が誕生することとなり、来訪観光客の増加と両国間の一層の交流拡大が期待されることから、今回の延伸の効果が生かせるよう、路線PRはもとより、本県観光情報の発信に積極的に取り組んでまいります。  私としましては、地域経済の活性化に資するよう、航空会社などと連携し、インバウンド、アウトバウンド両面から利用促進に取り組みながら、今後のダイヤ改善や増便、さらには新規路線の就航等、航空ネットワークの拡充強化を図ってまいりたいと考えております。  次に、四国の鉄道の高速化についてであります。  鉄道の高速化については、平成二十六年度末には北陸新幹線、平成二十七年度末には北海道新幹線の開業が近づいており、九州新幹線西九州長崎ルート、さらにはリニア中央新幹線の整備が進められる一方で、四国においては新幹線が基本計画にとどまっております。御指摘のとおり、このままでは本県を含む四国だけが新幹線空白地域となりかねず、将来に禍根を残さないためにも、鉄道の高速化について、地域の生き残りをかけて真剣に議論しておくべき時期に来ております。  このような中、本年四月、四国四県や経済団体などで構成する四国の鉄道高速化検討準備会が行った四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査の結果、フル規格新幹線整備に対する費用便益比(B/C)が一以上となるケースが示され、四国の鉄道高速化が、現在進められている整備新幹線と遜色ない結果となったところであります。このため、今回の調査結果を踏まえ、国の基本計画にとどまっている四国新幹線及び四国横断新幹線の整備計画格上げに向けた調査・研究を進めるよう、六月には、四国四県と経済界などで構成される四国鉄道活性化促進期成会で、私も各県の議長らとともに国土交通省に対し直接要望を行いました。  また、七月には、自由民主党本部四国ブロック両院議員会からの求めに応じ、四国鉄道活性化促進期成会や四国公共交通議員連盟等で、今回の調査結果について説明を行いました。さらに、九月には、四国の鉄道の高速化実現に向けて、今後の機運醸成や整備計画格上げに向けた国への働きかけなどの課題に対応するため、検討準備会の後継組織として四国の鉄道高速化連絡会を設置し、四国四県と経済界が一体となって取り組むこととしております。  私としましては、鉄道の高速化は、高速道路と並ぶ重要な社会経済基盤の整備であり、今回の調査結果をもとに、各界各層と議論を深め、関係団体とも連携しながら、四国四県が一体となって、大局的な見地から高速化の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次に、企業誘致についてであります。  企業誘致は、建設に係る投資効果に加え、稼働後は相当数の新規雇用が見込まれ、また、地元企業にもビジネスチャンスが生まれるなど、本県産業に新たな活力を与え、地域の活性化に大きく寄与するものと考えております。このため、昨年度に策定した香川ものづくり産業振興計画において、多様な産業が複合的に集積している本県産業の特性を踏まえ、ものづくり基盤技術産業や食品産業、運輸・物流産業などの五分野について、一層の集積促進を図り、計画期間五年間で、新規・増設立地件数百件、新規雇用創出二千人の目標を掲げております。  これを達成するため、企業が求める人材の育成・確保、道路や港湾などのインフラ整備等、企業が操業しやすい環境を整えるとともに、本県への立地を検討している企業に対しては、用地情報の紹介や本県独自の助成及び税制面等の優遇制度を丁寧に説明するほか、多数ある関係法令の手続を一括して進めるいわゆるワンストップサービスでサポートし、企業の負担軽減を図り、立地手続が円滑に進むよう取り組んでおります。  一方で、企業による国内工場の集約や海外移転を進める動き、全国的にも高い本県の有効求人倍率など、懸念すべき課題もあります。このため、私自身が直接、企業のトップにお会いして、本県の立地環境の優位性をPRするとともに、各市町、金融機関、産業支援機関、経済団体などとも連携して、ワンストップサービスで、優良な企業の立地促進や立地環境の一層の整備などに全力を挙げて取り組み、地域経済の活性化と企業活動を支える人材の確保を図ってまいりたいと考えております。  次は、二〇一五年ミラノ国際博覧会日本館への出展についてであります。  ミラノ万博の日本館では、館内のイベント広場において、地方自治体等が持ち回りで参加し、PRを行うイベントが計画されております。私としましては、県議会の御理解をいただきながら、これに参加し、讃岐うどんを初め、誇り得る県産品を世界にPRするとともに、来る東京オリンピックパラリンピックに向け、観光客誘致にもつながるよう発信してまいりたいと考えております。  日本館等のコンセプトを踏まえたストーリー性の高いイベント展開につきましては、議員御指摘のとおりであり、単に食材の紹介に終始するのではなく、盆栽、漆器をあわせて出展することなどにより、香川の食や食空間の多彩さをアピールするほか、多島美の瀬戸内海の穏やかな風景や、今に脈々と息づくお接待の心、さらには現代アートなど、香川の自然、歴史、文化をあわせて紹介し、香川の魅力を存分に発信したいと考えております。  さらに、イタリアとは、パスタとうどんという、ともに小麦の食文化を持つことやオリーブを特産とすることなどが共通点であることを紹介して、香川を強く印象づけたいと考えております。  引き続き、関係団体を初め国やジェトロ等とも十分連携を図りながら、出展内容等に工夫を凝らし、ミラノ万博日本館イベントへの出展が、本県並びに県産品の欧米での認知度向上や訪日観光客の誘致、さらには販路開拓の絶好の端緒となるよう、全力で取り組んでまいります。  なお、その他の御質問につきましては、担当部局長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)工代政策部長。    (政策部長工代祐司君登壇) ◯政策部長(工代祐司君)佐伯議員の、農水産品の海外での販路拡大及び認知度向上についての御質問にお答えいたします。  うどん等の加工食品を含む県産農水産品の海外販路拡大につきましては、日本や日本産品への関心が高く、購買力が旺盛な東アジアの市場をターゲットに重点的に取り組んでおり、県のサポートによる販売額は拡大しておりますが、御指摘のとおり、海外では県産農水産品の認知度はまだまだ低く、まずは知っていただき、特徴を理解いただく必要があります。このため、本年度も、台湾の量販店での青果物フェアの開催や、伊勢丹シンガポールでの物産展に県内事業者の出展を支援するほか、現地バイヤーの招聘などを行い、認知度の向上と販路開拓に努めております。  また、鮮度を維持し、荷傷みを避ける商品の輸送方策については、昨年度、台湾への航空路線の乗り継ぎ便を活用し、イチゴ、桃等をシンガポール、香港等へ試験的に輸送したのに続き、本年度は、シンガポール向けに、ブドウの鮮度維持を目的として、生産者、流通業者、包装資材取扱業者等と連携し、航空便による試験輸出を実施したほか、キウイのうち、「さぬきゴールド」の台湾への試験輸出も検討しております。  今後も、県内の生産者や製造者、流通業者等と十分連携を図りながら、これまでの取り組みを継続して実施するほか、現地バイヤー等を対象としたセミナーの開催や、輸送方法等も含めた商談なども推進し、県産農水産品の海外販路拡大等を通じて香川が元気になるよう、全力で取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)安松観光交流局長。    (観光交流局長安松延朗君登壇) ◯観光交流局長(安松延朗君)佐伯議員の、観光対策と人権意識についての御質問にお答えいたします。  県では、香川県人権教育・啓発に関する基本計画に基づき、人権が尊重される社会の実現に向け、子供、女性、障害者などさまざまな課題について、人権教育・啓発に関する各種施策に取り組んでおります。このうち、外国人に関しては、国際化時代にふさわしい人権意識を育てることを目指し、国際フェスタなど交流イベントの開催などを通じて、外国人の持つ文化、習慣等の多様性を尊重する意識の醸成に努めております。  こうした中、今春、県内のお遍路休憩所などから特定の外国人を排斥する趣旨の張り紙が発見されたことはまことに遺憾であり、今後とも、関係機関と連携しながら、外国人に対する偏見や差別意識のない、真に国際化された地域づくりに向けた取り組みを進めてまいります。  世界文化遺産の登録を目指している「四国八十八箇所霊場と遍路道」には、札所寺院を初め数多くの歴史的価値のある建造物や宝物などとともに、お遍路を支える地域のお接待があり、国内のみならず海外からも大勢の方々が訪れており、本県を代表する観光資源の一つであると考えております。本年は、霊場が開創されて千二百年の節目の年に当たることから、県では、「うどん県おせったい宣言運動」の展開や、「おへんろさんの駅」の設置、「おへんろ八八ガールズ」による情報発信などを行っており、今後も遍路やおもてなしの文化などを広くPRしてまいります。  また、議員御指摘のとおり、本県には遍路や数多くの観光名所があり、加えて、全国に誇れる県産食材、食品も多く有しております。県では、これら全てを観光資源として捉え、県の公式観光ウエブサイト「うどん県旅ネット」の中で特集ページを設け、その魅力を紹介するほか、首都圏などでキャンペーンを行うなどして情報発信に努めているところであります。また、本県を代表する名産品である讃岐うどんの全国的な知名度を活用し、年末の十二月十三日、十四日には、サンメッセ香川で全国年明けうどん大会を開催するなど、食と絡めた観光客誘致に取り組んでおります。  県といたしましては、引き続き、観光名所や食など本県を代表するさまざまな観光資源を有機的に結びつけ、香川らしさを全国に向けてアピールすることにより、選ばれる香川を目指し、戦略的に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。  広瀬良隆君。    (広瀬良隆君登壇、拍手) ◯広瀬良隆君 冒頭、八月の広島市の土砂災害、また、先日の御嶽山の噴火により亡くなられた方々に、公明党議員会より衷心より哀悼の意をささげますとともに、被害に遭われた全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。そして、一刻も早い復興と回復をお祈りいたします。  それでは、私の一般質問に入らせていただきます。  最初の質問は、スマート農業の推進についてです。  我が国の農業は、農業従事者の高齢化、新規就農者の不足、耕作放棄地の増大等、厳しい環境に置かれている中で、農業の競争力を強化し、農業を魅力ある産業としていくためには、担い手が意欲と能力を存分に発揮できる環境を創出していかなければなりません。そのために、農業技術においても、省力化、軽労化、精密化、情報化といった視点でその革新を図っていかなければなりません。他産業では、ロボット技術やICT等の活用が進展し、これらの技術革新が競争力の強化につながっており、農業においても、それらの活用がさまざまな課題の解決や農業の成長産業化に向けた強力な推進力となることが期待されています。  このため、政府は、ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業であるスマート農業の実現に向けて、経済界の協力も得ながら、昨年十一月に、スマート農業の実現に向けた研究会を立ち上げました。この研究会では、我が国の農業が直面する課題を解決し、新たな農業、すなわちスマート農業を開いていくために、その将来像をわかりやすく提示しました。すなわち、ロボット技術やICTの導入によりもたらされる新たな農業の姿を五つの方向性で整理しました。  その五つとは、一に、超省力、大規模生産の実現。GPS自動走行システム等の導入による農業機械の夜間走行、複数走行、自動走行等で、作業能力の限界を打破します。二に、作物の能力を最大限に発揮。センシング技術や過去のデータを活用したきめ細やかな栽培により、従来にない多収、高品質の効率生産を実現します。三に、きつい作業、危険な作業からの解放。収穫物の積みおろし等重労働をアシストスーツにより軽労化するほか、除草ロボットなどにより作業を自動化し、担い手をきつい作業、危険な作業から解放し、負担を軽減します。四に、誰もが取り組みやすい農業の実現。農業機械の運転アシスト装置により、経験の浅いオペレーターでも高精度の作業が可能となるほか、栽培ノウハウのデータ化等により、経験の少ない若年労働力でも対処可能な環境を実現します。五に、消費者、実需者に安心と信頼を提供。クラウドシステムによる生産の詳しい情報の提供により、産地と消費者、実需者を直結し、安心と信頼を提供します。  以上のように、スマート農業は、日本の持つ高度な技術を農業分野に活用して競争力を強化し、農業を魅力ある産業とすることで、意欲的な若者や女性を呼び込み、その能力を発揮できる環境を創出します。また、農産物の生産をスマートにするだけでなく、日本の技術やノウハウをデータ化・システム化するなどして、新たなビジネスにしていくことも期待されています。  今後、国の研究が進むと同時に、各地方自治体においても、スマート農業を推進するために研究や環境整備が進むものと思われます。本県においても、スマート農業をうまく取り込んでいくことが、今後の本県の農業振興に欠かせない重要な要件であると考えます。  今後、どのようにスマート農業を推進していこうとされるのか、知事にお伺いいたします。  次の質問は、データヘルスの推進についてであります。  近年、健診やレセプトなどの健康医療情報は、平成二十年の特定健診制度の導入やレセプトの電子化に伴い、そのデータの蓄積や電子的管理が進んでいます。これにより、従来困難だった多くのデータに基づく医療費の内容や傾向の分析が可能になり、医療費データと特定健診・特定保健指導のデータを突き合わせること等によって、個々の加入者の健康状態の変化なども把握できるようになってきています。データヘルスとは、医療保険者がこうした分析を実施した上で行う、加入者の健康状態に即した、より効果的・効率的な保健事業を指します。  厚生労働省は、二〇一三年六月十四日の政府の閣議決定に基づき、二〇一五年度から、全ての健康保険組合に対してデータヘルス計画に基づく事業実施を求めています。このデータヘルスの動きの背景にあるのは、高齢化や生活習慣病の増加に伴う医療費の高騰が社会問題となっている中で、特定健診やレセプトの情報を活用することで、保健事業をより費用対効果の高いものにしていこうとする狙いがあります。  ここ数年は、データヘルスの基礎となる医療関連データの電子化が進み、例えばレセプトは段階的な電子化が義務づけられており、現状で全体の九五%が電子化されています。データヘルスの推進は、医療データの電子化をさらに加速させ、いわゆる医療ビッグデータを生み出す素地にもなると言われています。  地方自治体の保険者でデータヘルスに先進的に取り組んでいるのが、広島県呉市です。呉市では、例えば後発医薬品、いわゆるジェネリックに切りかえることによって一定以上の医療費負担軽減効果が見込まれる被保険者に、その削減額を通知するサービスを実施することによって、八割以上の通知者が後発医薬品に切りかえ、平成二十年七月の実施以降、これまで累計五億円以上の削減効果を出したといいます。また、そのほかに、健診情報から健診異常値のある被保険者を抽出し、レセプトと突合して、医療機関未受診者に受診勧奨を行うとか、レセプトから生活習慣病で医療機関に通院していた患者を抽出し、一定期間通院していない患者に受診勧奨を行うとか、レセプトから抽出した対象病名ごとに指導対象者を選定し、個別に指導を行うことにより重症化を予防する等を行って、効果を出しています。  こうしたデータヘルスの推進により、保険加入者の効果的な健康づくりや疾病予防が可能になると同時に、医療費全体の節減、加入者の負担軽減が図られます。したがって、本県としても、データヘルスを積極的に推進することが望まれます。それには、県下の市町に対して積極的な情報提供や利用を促す必要があります。また、データヘルスを推進するための医師会との連携も、県が主導的に調整役を果たす必要があります。  県民の健康増進、医療費負担の軽減、県全体の医療費節減のために、県はしっかりデータヘルスの推進に取り組むべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  次は、IT等を利用した障害者支援の推進についてです。  多機能携帯電話スマートフォンやタブレット端末の普及によって、さまざまな便利なアプリケーションが開発され、多くの人の生活に欠かせないものになっています。その中には、目や耳の不自由な人たちにも便利な機能を提供するアプリも多く開発されています。最新アプリのアシストにより、例えば、目が見えなくても一人で町を歩き、買い物を楽しんだり、発売間もない本を読んだり、障害者の生活がより豊かに便利になりつつあります。  視覚障害者歩行支援アプリは、GPSとコンパスを使用して、現在の位置を音声で知らせてくれます。周辺にあるカフェを検索したり、最寄りの図書館、郵便局などを調べることもできます。お気に入りの場所が見つかったら、そこの住所や電話番号を入手し、電話をかけることも可能です。  また、自分の持ち物を事前にスマホに登録しておくと、目の前の持ち物にスマホのカメラをかざすだけで、それが何であるかを音声で教えてくれるソフトもあります。例えば複数のクレジットカードを持っている場合、どれがどのカードか自分で判別することは視覚障害者には困難な作業ですが、このアプリを使えば、どのカードなのかをすぐに知ることができます。まさに自分の目の役割をスマホが担ってくれるのです。  事前に登録しなくても、そのものが何であるかを教えてくれるアプリもあります。例えば紙幣にスマホのカメラをかざし、画面を二回タップしてシャッターを切ると、「千円、千円」と音声で教えてくれます。また、「赤い折り紙。鶴です」とか、「透明なプラスチックボトルです」などと、撮影したものの色や形、文字などの情報を教えてくれます。  以上は視覚障害者のためのアプリですが、聴覚障害者用のアプリもあります。スマホを補聴器のように使えるアプリがあります。補聴器は、騒音が大きなところでは聞こえないし、ボリュームを上げると騒音も大きくなって耐えられないようですが、これを使えば、聞きたい音が鮮明に聞こえます。  そのほかにも、登録された全国のタクシー会社を簡単操作で呼び出せるアプリや、災害時の緊急連絡用アプリなど、生活に密着した有用なアプリがたくさん開発されています。こうしたアプリ開発の進展は、目や耳に障害があり不便な生活を送っている人たちの日常を少しずつ改善してくれているに違いありません。ITによる静かな革命が今起きているように思います。問題は、こうしたアプリの存在を知らしめ、それらを使いこなせるように支援してあげられる体制づくりであります。  東京都には、この支援を行っている施設があります。東京都障害者IT地域支援センターです。このセンターの専用コーナーで、障害者向けのさまざまなアプリを紹介しています。例えば、耳の不自由な人が、「ぜひ会話してみたい人ができたのだがいい方法はないか」と相談に来れば、そうした希望に合うアプリを相談員が一緒に探します。アプリは、必要に迫られたものがどんどん新しく出てきているので、きょうないアプリも、あすはあるかもしれません。ハードではないので、価格も手ごろで、無料アプリもあります。  この東京都障害者IT地域支援センターでは、障害者のIT支援に関する相談支援業務、ボランティアのITサポーターによる訪問支援及びセンターでの体験実習支援業務、区市町村職員等を対象にした障害者IT支援のための講習会の開催等々を行っています。本県においても、東京都のこのセンターのような最新のITツールの利用を支援する施設があれば、障害をお持ちの方々には大変有用なものになると思いますが、このような施設を設けることについて、知事のお考えを伺います。  次に、ITを利用した障害者支援の二番目の質問として私が取り上げたいのは、磁気ループシステムについてであります。
     磁気ループとは、障害や高齢等で補聴器を利用している難聴者のための補助システムです。補聴器は、静かな環境で握手のできる程度の距離で相手の話を聞くには、難聴者にとって有用な補助具です。しかし、広くて反射の多い部屋や騒々しい環境の中では役に立ちません。自分が聞きたい音源以外からの音も全て拾ってしまうからです。  磁気ループは、こうした環境で、ほかの音の影響を受けないようにするためのツールです。音を一旦磁気に変換して送り、補聴器の中で音波に戻す仕掛けです。補聴器をそうしたモードに切りかえて使うことによって、磁気ループからの音だけが鮮明に聞こえるのです。音波を磁気に変換する仕掛けをループ状に敷設することによって、ループ内のどこでも音が鮮明に聞き取れます。  本年七月に、高松市役所が、この磁気ループを一階、二階の窓口で利用できるように導入しました。導入したのは、一対一の対話用のポータブルなもので、ループ形式ではありませんが、仕組みは同じです。これにより、窓口に来た難聴者の方は、カウンターの向こうの職員の話が鮮明に聞こえるようになるし、また、職員からすると、相手が難聴者であっても、マイクに普通の声で話しかけるだけで相手に伝わるのです。大声で話す必要がなく、職員の負担も軽減されるし、大声で話したときに第三者に会話の内容が聞き取られるというプライバシーにかかわる問題も緩和されます。  この磁気ループシステムは、高松市内ではほかに、サンポートホール高松、高松市中央図書館、県社会福祉総合センター、さぬきこどもの国など八施設に導入されているようであります。  私は、県として、県庁や県立図書館等の県有施設にも導入が望まれると考えますし、また、県下のほかの市町への導入も県として促進すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。  私の一般質問、最後の質問は、危険ドラッグ対策についてです。  体に摂取し健康を害する事例や、車を暴走させ交通事故を起こす事例などが全国各地で相次いで発生し、危険ドラッグは深刻な社会問題となっています。興奮、幻覚、陶酔など、麻薬や覚醒剤などと同じような作用を及ぼすほか、嘔吐、頭痛、けいれんなど急性中毒症状を呈し救急搬送される事例が多く報告されているのが大きな特徴で、死亡に至ることもある、非常に危険な薬物です。  こうした状況に対して、自治体で独自の条例をつくり取り締まりを強化するといった動きが顕著になってきています。現在、危険ドラッグに関する条例を制定している自治体は、東京都、愛知県、大阪府、徳島県、和歌山県、鳥取県の六つ、そしてこの九月以降、新たに十府県が独自の条例をつくろうとしているようであります。  これらの条例は、当初は、薬事法で取り締まることが可能な薬事法上の指定薬物の指定に時間がかかっていたことから、自治体で独自に取り締まることができる知事指定薬物を短期間に指定し、いち早い取り締まりを可能とすることが主な目的でした。しかし、現在は、薬事法での指定がスピードアップされたこともあって、県条例での知事指定薬物はゼロという状態になってきており、その意義が薄れてきている状況にあります。このため、最近は、知事指定薬物を指定するだけでなく、ほかの規定で取り締まり強化を狙う条例がふえてきています。  和歌山県は、昨年四月施行の条例で、知事監視製品制度を盛り込みました。知事監視製品とは、指定薬物ではないが、摂取すると精神作用等を及ぼすおそれがあり、本来の用途に反して体に摂取されるおそれのある製品のことで、これを取り扱う業者は、販売業の届け出、購入者への使用方法の説明、購入者からの誓約書の受け取り等が義務づけられており、これに違反したときの罰則も設けられています。指定薬物のように売り買いが禁止されるわけではありませんが、売買に厳格な手続を設けることにより、危険な使用を減らそうというものです。今後、制定される予定の条例、また、改正が予定されている条例でも、知事監視製品や知事監視店舗を指定したり警察官の立ち入り権限を付与したりする規制強化が図られるようであります。  一方、薬事法でも、規制強化も進んでいます。指定薬物の指定は、かつては薬事審議会終了後から施行まで約三カ月かかっていたものが、パブリックコメントの省略等で、現在は二週間で施行されるように迅速化されました。また、薬事法第七十六条の六の規定に基づいて、指定薬物の疑いがある商品を販売している店舗に対して検査命令を出し、検査結果が出るまではその商品の販売を停止させることができるようになりました。  先日、高松の危険ドラッグ販売店に四国厚生支局麻薬取締部と県と県警察が共同で立入検査に入ったのは、この規定を根拠としたものでした。中四国で初と言われる危険ドラッグに対する検査命令と販売禁止命令の執行でした。この後、この店は閉店に追い込まれたと聞いています。  この検査命令による取り締まり強化に続いて、今度は、薬事法第六十九条第四項の規定に基づいて、無承認医薬品としての取り締まりができるようになりました。危険ドラッグは、薬事法第二条第一項第三号でいう「人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている」医薬品であって、承認されていない医薬品を販売している店舗への立入検査、商品の陳列禁止、従わない場合は廃棄命令や警察への通報ができるようになりました。  各都府県の条例で言う知事監視薬物、知事監視店舗は、指定薬物ではないが、その一歩手前の薬物の売買に一定の規制をかけるものであるのに対し、薬事法を根拠とした検査命令や無承認医薬品の取り締まりの対象となるものは、次に指定薬物になるものや、それに類似した名称、パッケージのものまでが含まれると考えられるため、どちらが広い範囲を規制の対象とするかは一概には言えないと思われ、また、対象となったときの規制の厳しさは、条例では売買の手続規制がかかるのに対し、薬事法では、販売停止の警告や命令、背いた場合には警察への通報といった厳しい措置が講じられると考えられます。各都府県が知事監視薬物や知事監視店舗等で条例により取り締まり強化を図ろうとしている動きがある中で、本県においても、条例制定が危険ドラッグ撲滅に有効であるならば、ぜひやるべきと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  香川県として、各都府県の条例制定の取り組みをどう評価しておられるのか、本県においても条例制定は必要とお考えかどうか、お伺いいたします。  各都府県の条例による規制強化、薬事法を根拠とする規制の強化によって、危険ドラッグの店舗販売への圧力はかなり強まっていると思われます。しかし、こうした規制が及びにくいのがネット販売の世界であります。  インターネットで例えば「合法ハーブ」という言葉で検索をかけると、危険ドラッグ販売ショップと見られるサイトが幾つか出てきます。売られている製品の画面には、「二〇一四年九月二十九日施行の薬事法対象外商品です」、「人体摂取目的での販売は一切お断りさせていただきます」、「現在日本国で違法とされている成分は含有しておりません」、「未成年者には販売しておりません」、「当商品は医薬品ではございません」等々の表記がされ、体裁は全く違法性の指摘のしどころがない、ハーブ等の販売サイトです。  しかし、売っている商品は、けばけばしいパッケージの、見るからに危険ドラッグそのものといった感じの商品です。売るほうは法や条例を遵守して売っているのだから、これを体に吸引したりするほうが悪いと言わんばかりに、正々堂々と売られています。  このネット販売をどう抑えるかが問われています。店舗での販売を抑え込んでも、ネット販売が抑止されなければ何もなりません。二つの穴があいたバケツの一つの穴だけを厳重に塞いでも、何の意味もありません。  危険ドラッグのネット販売を抑止するために、県として何ができるのでしょうか。国への働きかけを含めて、県として、危険ドラッグのネット販売抑止にどう取り組まれるのか、知事にお伺いいたします。  また、規制が厳しくなって店舗でもネットでも売りづらくなってきたら、ふえると考えられるのが、闇の売買です。公然と売れなくなったら、闇のルートで麻薬や覚醒剤と同じように売られ始めるのではないでしょうか。危険ドラッグは、麻薬や覚醒剤より価格が安いため、闇で流通する可能性も大いにあると思います。  この闇の売買を抑止するためにどう取り組むのか、知事にあわせてお伺いいたします。  前述したように、危険ドラッグに侵された者が嘔吐、けいれんなど急性中毒症状を起こし、急患として病院に運び込まれるケースは少なくないですが、本県において、そうした患者を受け入れ、治療、解毒に当たる医療体制はあるのでしょうか。摂取した薬物の成分がわからないために適切な治療が行われにくいという悩ましい状況があります。  経験的知見を集約させてこれに当たる医療体制の整備が望まれますが、本県における状況と対策について、知事にお伺いいたします。  また、初期治療が済んだ後、薬物依存のある患者を再乱用に陥らせないためには、依存症からの回復プログラムが必要ですが、県の取り組みについてお聞かせください。  最後に、危険ドラッグを製造販売する者がいても、それに手を出す人がいなければ、今日の危機的状況は起きていません。その意味で、こうしたものに手を出さない社会をつくっていくことが何より重要であります。危険ドラッグを摂取することの危険性、薬物依存の怖さ、人生に与えるダメージ等を徹底して啓発していく必要があります。  今後、こうした危険ドラッグ撲滅のための啓発活動をどう展開していくのか、知事と教育長にお伺いして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)広瀬議員の御質問にお答えいたします。  まず、ロボット技術やICTを活用して、超省力・高品質生産を実現する新たな農業、いわゆるスマート農業の推進についてであります。  農業分野におけるロボット技術やICT等の先端技術の活用は、作業の効率化や省力化とそれに伴う規模拡大に加え、栽培ノウハウの継承に資するとともに、精密化による高品質・多収生産の実現や、生産情報をダイレクトに消費者につなげ、安心と信頼の提供による有利販売をもたらすものと考えております。また、新規に参入しようとする若者や女性にとっても、農業を魅力あるものとする上で有効なものであり、今後、産業としての農業をさらに展開していく上で大きな可能性を秘めていると認識しております。  議員御指摘のとおり、国においては、スマート農業の実現に向けた研究会を設置し、将来像や実現に向けたロードマップ、取り組み上の留意事項等について、中間的な取りまとめがなされたところであり、現在、その具体化に向けて、さらに検討が進められております。一方、県内においても、生産者とIT企業が連携し、ICTを活用したコスト削減や栽培管理の効率化、情報の発信・共有化、高付加価値化などの取り組みが行われつつあります。  県では、今後、こうした取り組みを伸ばしていくため、国における検討状況を踏まえるとともに、県内外での取り組み事例も参考にしながら、本県農業に対応した推進や支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。  次に、データヘルスの推進であります。  御指摘のように、特定健康診査の実施やレセプトの電子化の進展などにより、保険者が健康や医療に関する情報を活用して被保険者の健康課題の分析や保健事業の評価等を行うための基盤整備が進んでいます。こうした中、平成二十五年六月に閣議決定された日本再興戦略においては、全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画としてデータヘルス計画の作成・公表、事業実施、評価等の取り組みを求めるとともに、市町村国保が同様の取り組みを行うことを推進するとされ、この趣旨に沿って、本年の四月には、厚生労働大臣が定める国民健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針の一部が改正されたところであります。  データヘルスの県内市町における取り組みとしては、これまで、香川県国民健康保険団体連合会の国保データ分析システムを活用して、レセプト情報と特定健康診査の結果を突合し、糖尿病治療の中断者に受診勧奨するなど、重症化予防の取り組みを行っているところであります。また、ジェネリック医薬品の差額通知についても、平成二十四年五月から、県内全ての市町国保において実施しており、二年間で約一億五千万円の医療費削減の効果があったところであります。  さらに、今年度は、本年四月の国の指針の改正に基づき、丸亀市、坂出市、小豆島町の三市町においてデータヘルス計画を策定し、PDCAサイクルに沿った効果的、効率的な保健事業の推進を図っていく予定と聞いております。  今後、県といたしましても、市町におけるデータヘルスの取り組みがより一層推進され、県民の健康増進や医療費の適正化につながるよう、医師会など関係機関とも連携しながら、保険者である各市町に対し、必要な指導・助言を行ってまいりたいと考えております。  次は、危険ドラッグ対策のうち、条例制定についてであります。  危険ドラッグについては、御指摘のとおり、国では指定薬物の指定手続を大幅に短縮化するほか、薬事法に基づく検査命令と販売禁止命令を行ったり、無承認医薬品としての指導取り締まりを強化するなど、全力を挙げてその根絶に努めております。  一方、条例を制定している都府県では、知事指定薬物として短期間で薬物の指定を行ったり、知事監視薬物や知事監視店として営業を規制するなど、薬事法の規制に加えて取り締まりを行っているところもあります。  本県では、厚生労働省や警察と緊密に連携し、九月に検査命令や販売等禁止命令を実施したように、薬事法の厳正な運用や国の示した対策を積極的に取り入れることにより、取り締まりを徹底しております。しかし、今後も危機的な状況が続くおそれがあることから、国において、さらに踏み込んだ対策を講ずるよう、要望してまいりたいと考えています。  お尋ねの条例制定については、今後の国の対応の動向や本県における危険ドラッグによる被害の状況等を踏まえて検討していく必要があると考えております。  次に、ネット販売抑止等の取り組みについてであります。  インターネットによる危険ドラッグ販売については、厚生労働省を初め各自治体において販売サイトを監視しており、法律に違反する掲示内容が確認されれば、国からプロバイダー等に連絡し、販売サイトの削除等を要請しているところです。こうした販売サイトについては、その拠点がどこにあるのか、県としても把握し切れないところがあることから、国に対して、強力な取り締まりをさらに要請してまいりたいと考えております。  危険ドラッグのいわゆる闇販売については、薬事法に基づく取り締まりが店舗の有無にかかわらず可能であることから、捜査機関である四国厚生支局麻薬取締部や県警察と密接に連携しながら、情報収集に努め、流通経路の撲滅を図ってまいりたいと考えております。  次に、危険ドラッグの医療体制の整備等についてであります。  危険ドラッグによる急性中毒症状を起こした患者については、まず身体的な急性期治療が必要であるため、救急病院に受け入れられる場合が多く、現在のところ有効な解毒剤はないことから、対症療法により身体的症状の回復に努めることに主眼が置かれております。今後、身体的な救急治療を担う病院と、薬物依存症の治療にかかわる精神科医療機関との連携をより一層促進し、急性中毒症状を起こした患者の治療が円滑かつ適切に行われるよう努めてまいります。  また、薬物依存症者の再乱用防止については、当事者の自覚を促すことや、当事者を支える家族への支援が重要であることから、精神保健福祉センターや各保健所において、当事者や家族に対する個別相談や研修会等を実施しているところであり、今後とも、こうした取り組みを粘り強く行うほか、依存症回復プログラムを実施している先進的医療機関等の事例も研究しながら、医療機関や関係団体等との連携を図り、薬物依存症者への支援に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)広瀬議員の御質問にお答えいたします。  まず、IT等を利用した障害者支援の推進のうち、最新のITツールの利用支援についてであります。  御指摘のとおり、近年、スマートフォンやタブレット端末等の普及・進化に伴い、視覚や聴覚に障害のある方が情報伝達やコミュニケーションの手段として利用できるアプリケーションなどが次々と開発されており、こうしたITツールを利用することにより、障害のある方が、日常生活上の不便を軽減するとともに、生活の質を高め、より自分らしく生き生きとした暮らしを送ることができるようになるものと考えております。  県では、香川県視覚障害者福祉センターや香川県聴覚障害者福祉センターにおいて、障害特性に合わせたパソコン教室の開催やパソコンボランティアの養成・派遣などにより、障害のある方のITツールの利用を支援しております。また、これらのセンターの相談窓口では、ITツールに関する相談にも応じておりますが、最新のアプリケーションなどの開発は日進月歩でありますことから、より一層情報収集に努め、御指摘のありました東京都障害者IT地域支援センターなどの先進的な取り組みも参考にしながら、障害のある方が最新のITツールやアプリケーションなどを利用して生活の質を高め、心豊かに生活できるよう支援してまいりたいと考えております。  次に、磁気ループシステムの導入についてであります。  磁気ループシステムは、磁力によって、マイクを通した相手方の音声を明瞭に聞き取ることを可能にするもので、聴覚に障害のある方のうち補聴器を利用している方にはおおむね有用であり、耳の不自由な高齢者を初め聴覚に障害がある方にとって情報を得やすい環境をつくり、社会参加を促進するための一つの手段であると考えております。  現在、県有施設では、香川県社会福祉総合センターや香川県聴覚障害者福祉センターなど、聴覚に障害のある方の利用が比較的多く見込まれる施設に設置しており、これらの利用が促進されるよう周知に努めるとともに、他の施設への導入については、磁気ループシステムの特性を踏まえ、聴覚に障害がある方のニーズや手話通訳、要約筆記など他の意思疎通支援手段の活用等も勘案しながら、今後、検討してまいります。  また、市町では、障害者や高齢者に対する窓口業務など、磁気ループシステムが効果を発揮する機会も多いと考えられますことから、こうしたシステムに関する情報提供を行い、市町とともに、耳の不自由な障害者や高齢者に優しい環境づくりに努めてまいります。  次は、危険ドラッグ対策のうち、啓発活動の展開についてであります。  危険ドラッグを含む薬物乱用防止のための広報啓発については、六月の「ダメ。ゼッタイ。」運動など、年四回の強調月間を設け、街頭キャンペーンやパネル展など、年間を通じた広報活動を行っているほか、警察や教育委員会等と連携して、中学生、高校生を対象とした薬物乱用防止教室の開催を初め、広報誌、ラジオ、ホームページなどさまざまな広報媒体を活用した啓発を実施しているところであります。昨今、危険ドラッグの乱用者が急増して大きな社会問題となっていることから、今後は、危険ドラッグにより重点を置いた積極的な啓発に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)広瀬議員の危険ドラッグ対策についてお答えいたします。  危険ドラッグの若者への広がりが懸念される中、薬物乱用の防止は、児童生徒の心身の健やかな成長を図る上で極めて重要な問題であると考えております。このため、小学校、中学校、高等学校と発達段階に応じて、保健学習を中心に、大麻や覚醒剤を初めとする各種薬物の乱用が心身にさまざまな影響を与え、健康を損なうことや、法律で厳しく規制されていることなどについて、正しく理解するよう指導を行うとともに、薬物乱用防止教室を開催し、児童生徒に薬物中毒患者が引き起こした事例を聞かせたり、患者の体験談や社会復帰の困難さを描いたDVD教材を見せたりして、その有害性、危険性をより具体的に認識させるための指導を行っております。  また、保護者に対しても、懇談会等の機会に、国が作成した啓発用リーフレットを配付し、薬物乱用の防止を働きかけているところであります。  さらに、県教育委員会では、こうした取り組みを推進するため、毎年、学校の担当者等を対象に研修会を開催しており、今年度は、危険ドラッグについての現状や指導における留意点等についても周知したところであります。  今後とも、児童生徒が危険ドラッグを含む薬物乱用の有害性、危険性を理解し、将来にわたってその防止に向けた行動の実践につながるよう、薬物乱用防止教育の充実に努めてまいりたいと存じます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。  白川容子さん。    (白川容子君登壇、拍手) ◯白川容子君 浜田知事は、今議会冒頭、二期目の所信を表明されましたが、この中身こそ、まさにアベノミクスそのものでありませんか。知事は、選挙戦で公約に掲げた「成長、信頼・安心、笑顔」の三本柱を今後の政策の中心にする考えを強調されましたが、アベノミクスの焼き直し、これにすぎない破綻した中身では、県民からの信頼も、県民の暮らしに対する安心感も、ましてや笑顔など得られるはずもありません。  私は、知事に、アベノミクスからの決別と、県民こそ主人公の県政への転換を求めて、質問をいたします。  まず、香川県経済の落ち込みの根本原因について問います。  アベノミクスの円安政策による物価の上昇、原材料費の高騰が、国民生活と中小企業の経営を苦しめ、消費税増税も強行されました。その結果、四月から六月期のGDPは、年率換算で、東日本大震災による落ち込みを上回るマイナス七・一%、家計消費は、一九七三年のオイルショック直後に匹敵するマイナス一九・五%の落ち込みとなりました。アベノミクスによる物価上昇と、それに続く消費税増税が賃上げ分を奪い取り、給料を目減りさせ、消費がこんなに落ち込んでしまったのです。実際、働く人の実質賃金は、十四カ月連続で前年比マイナスとなっています。  香川でも、日銀高松支店が九月に発表した企業短期経済観測調査では、香川県内企業の景況感を示す業況判断指数が、全産業で六月の前回調査から二ポイント低下してマイナス四となり、二期連続の悪化となりました。六月定例会でも、我が会派の樫団長が、浜田県政の一期四年について問い、雇用者報酬も減り続け、十年間で家計所得は一世帯当たり百十四万五千円も減っている。この五年間で正社員が約二万人減り、非正規労働者が一万八千人ふえるなど、非正規労働の拡大は一層進んでいる。香川の経済を立て直し、県民の暮らしを豊かにするためには、地域経済を土台から支える農林水産業、中小零細商工業を応援する県政が求められている。労働者の生活と権利を守る労働行政、正社員が当たり前の雇用、賃金の大幅な引き上げを実施すべきと、知事の所見を問いましたが、知事はまともな答弁をなさいませんでした。  そこで、改めて伺います。  知事は、香川県経済の落ち込みの根本原因が実質賃金の低下にあることをお認めになりますか、お答えください。  この上、消費税を一〇%に引き上げてしまったら、さらなる実質所得の減少や消費の底割れで、日本経済の土台を崩壊させることになるのは明らかです。日本世論調査会が九月に実施した全国面接世論調査でも、再増税反対が七二%に上り、賛成の二五%を大きく上回りました。反対する理由も、「低所得者の負担が重くなり過ぎる」が四九%で、最も多くなっています。  そもそも消費税増税には、一かけらの道理もありません。社会保障のためといって増税しながら、医療や介護を切り捨て、財政健全化のためと言いながら、大企業減税と大型公共事業に巨額のお金をばらまこうとしています。  暮らしと経済に大打撃を与え、増税の根拠も総崩れとなっている消費税一〇%への増税に対して、知事が先頭に立ち、香川からも、これ以上の増税はきっぱりと中止をすべきという声を上げるべきではありませんか。お答えください。  安倍首相は所信表明演説で、切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進めると表明し、憲法九条を根底から破壊する集団的自衛権行使容認を含む安全保障関連法案づくりを進めようとしています。これに同時並行で、沖縄県民の総意を踏みにじる、沖縄県名護市辺野古での新基地建設に全力で取り組むと、推進を表明しました。辺野古の新基地は、普天間の単なる移設ではなく、その機能を一変させる、海兵隊の最新鋭出撃基地の建設であり、紛争の平和解決という世界の流れにも逆行するものです。  浜田知事は、沖縄県民の八割が反対をしている沖縄県での新基地建設に賛成ですか、反対ですか。まず、基本的スタンスについてお尋ねをいたします。  香川県は、辺野古での新基地建設に無関係ではありません。昨年、防衛省沖縄防衛局が提出した埋立申請書には、土砂の大半を占める岩ずりの調達可能な供給地として小豆島町が記載されています。埋立申請書によれば、辺野古の海を東京ドーム十七個分に当たる二千六十二万立方メートルの土砂で埋め立てる計画です。  知事は、希少なジュゴンやサンゴが生息する美ら海が、小豆島町から運ばれる三十万立方メートルの砕石で埋められるとしたら、このことについてどう思われますか。  また、このことは、沖縄の環境を壊すだけでなく、国立公園指定八十周年を迎えた世界の宝石と呼ばれる瀬戸内海の環境を壊すことにもなり、乱開発が繰り返された瀬戸内海の景観をさらなる採石で損なうべきでないと、県民からも環境行政に批判の声が上がっていますが、どう思われますか。知事の所見を問います。  質問の大きな二点目は、女性が輝く香川についてです。  安倍首相が「女性の活躍」を掲げ、「女性が輝く日本を」と言えば、知事は、笑顔で暮らせる香川をつくるため、何よりも女性が輝く香川を目指すと所信表明をされました。しかし、特別に強調した割には、女性が輝く香川をつくるために何を進めるのか、知事は具体的な中身を示していません。このままでは、これもアベノミクスの焼き直しにすぎません。  そもそもアベノミクスが振りまく「女性が輝く日本」とは何でしょうか。私は、とても違和感を持って受けとめています。安倍首相は、日本を企業が一番活動しやすい国にするという成長戦略の中核に女性の活躍を位置づけました。結局、この成長戦略で女性の活躍が特に強調されるのは、女性を安い給料で働かすことができる非正規・不安定就労の中心的担い手としているにすぎません。  具体的には、日本の稼ぐ力強化のために、その担い手として女性の活躍促進と働き方改革を打ち出し、労働力不足を口実に、配偶者控除の廃止など税制改革で女性の就労を促進しようとしています。柔軟で多様な働き方の名で持ち込まれる限定社員や労働時間制度見直しも、解雇しやすく、残業代を払わず、安く使うという徹底した労働者の搾取強化そのものです。  二〇一三年度の世界ジェンダー格差指数によると、日本は百三十六カ国中百五位と、前年より四つ順位を下げました。二〇一二年には三つ下げているので、どんどん下がっています。OECD三十カ国の比較でも、日本の子供がいる二十五歳から四十四歳の女性の給与は、同世代の男性よりも六一%低く、OECD各国の中で最低となっています。家事が女性に集中し、日本の女性の睡眠時間が最も短く、六割が第一子出産で退職しますが、同時に男性もフランスの二倍もの最悪の長時間労働を強いられています。  女性の貧困、低賃金の背景には、女性労働者の五五・八%が非正規労働者、高校卒業後就職した人で正社員になった女性は四八・四%と半数にも満たないという現実があります。非正規労働者の七割を女性が占めるという偏り自体が、国連から女性差別として改善を勧告されています。こうした現状を見れば、女性の問題、とりわけ女性差別の問題の根底には、大企業の利益を最優先にする日本政治の根本的問題がはっきりと見えてきます。  そこで、お尋ねいたします。  知事は、安倍政権が進める女性の活躍促進をどう見ているのか、お答えください。  また、知事が目指す女性が輝く香川とはどのようなものなのか、それを真に進めるために何が必要と考えているのか、お尋ねをいたします。  私は、女性が輝く香川を考える上で何より指針となるのが、日本国憲法と女性差別撤廃条約だと思います。知事は、今後の方針づくりにこの二つの指針を根本に貫く意思があるのか、そのための具体的な方法もお尋ねをいたします。
     あわせて、所得税法第五十六条についてお尋ねいたします。  自営業者は、配偶者とその他の家族が一緒に働いている場合、その給与は事業所得等の必要経費として認められません。長時間働いても、事業主の所得から控除される働き分の自家労賃は、配偶者は年間八十六万円、家族は五十万円にすぎず、社会的にも経済的にも自立できない状況を生んでいます。八十六万円という金額は最低賃金にも満たない額であり、経費として認められないというのは、人間として見てもらえないということと同じです。  世界の主要国では、自家労賃を必要経費として認め、家族従業者の人権・人格、労働を正当に評価しています。私は、この問題は日本の女性の問題としても大変重要な問題だと考えています。  国も、この問題をほったらかしにしておいて、女性が輝くなどとよく言えたものだと思いますが、知事は、日本の所得税法第五十六条について、おかしいと思われますか。女性問題としてどう受けとめていらっしゃるのかもお答えください。  大きな質問の三点目は、子育て県かがわについてです。  香川県でも二〇四〇年に九市町が消滅の危機にあると示された日本創成会議の試算は、大変ショッキングなものでした。しかし、これは消滅の定義もない乱暴な議論でもあり、地方創生と言いながら、三大都市や地方中枢拠点都市に人、カネ、モノを集める集約化と道州制へ向けてのプロローグであるということをしっかりと見ておかなければなりません。  日本の人口が減り続けているのは、出生率が低迷しているからです。人口減少を防ぐには、安心して子供を生み育てることができなければなりません。しかし、アベノミクスでやろうとしているのは、安定した雇用を壊すことです。  今、若者の多くは非正規雇用で、低賃金と不安定な暮らしに苦しんでいます。社会に出ても、奨学金返済の重い借金を抱えてのフリーター生活、もやしとパンの耳だけで食費を節約し、生理不順と貧血に。結婚相手も奨学金返済中などというダブルワーキングプア、ノーキッズという状況も少なくありません。  子供ができたとしても、入れる認可保育所を見つけるのが至難のわざ。ダブルワーク、トリプルワークで長時間勤務で、保育所のはしごと高い保育料を余儀なくされる。これでどうして結婚し子供を生み育てることに展望が持てるでしょうか。知事が幾ら婚活に力を入れても、根本的な問題を解決しなければ、少子化問題は解決しないのです。  今、子供を生み育てる環境を抜本的に改革することが強く求められています。二〇一三年の内閣府の調査では、若者が結婚を決心する状況として挙げられた回答の一位は、「経済的な余裕」でした。さらに、子供を持つ場合の条件は、「子育てできる職場環境」との答えがトップで、「教育に余りお金がかからない」がそれに続きます。非正規労働をなくし、結婚して子育てできる賃金が得られるようにするほか、認可保育所の充実や、子育て世代が安心して働ける環境を整えることが必要です。  知事は、こうした環境をどうやってつくっていかれるのか、お尋ねいたします。  知事は、少子化対策に全力で取り組み、若者が安心して子供を生み育てることができる子育て県かがわを目指すと言っていますが、子育て県かがわを目指すと言うのであれば、何よりも子供の医療費を中学校卒業まで全県で窓口無料化して、香川の子供たちの命と健康を守るべきです。  高松市も来春から、外来について、小学校卒業まで無料化の実施を表明しました。県の制度が前進すればさらに上乗せしたいと考えている自治体もあります。まだ全県的レベルに前進させられていないさぬき市や東かがわ市でも、住んでいる場所によって格差があるのはおかしいと、父母や祖父母も声を上げ始めています。  香川県市議会保守系議員協議会からも、制度の充実を求める要望書も県議会に寄せられています。この思いは県民全体のものとなりつつあります。  知事、二期目の出発に当たって、この方向に大きくかじをとるときではないのですか。お答えください。  「私たち保育士が産休明けに職場に戻ろうとしても、子供を預かってくれる保育所がないんです」、これは、若い保育士さんからの声です。これが待機児童ゼロを誇る香川の実態です。求職中であったり、勤務の関係などで利用が難しい保育所などを含め、他に保育所のあきがあったりすれば、待機児童とはカウントされません。「香川県が待機児童ゼロだなんて、うちの子は一体何にカウントされているんですか」、御両親の率直な声です。  こうした認可保育所への入所を断られたのに待機児童に数えられない潜在的待機児童と言える子供が、四月一日時点で、全国の二十政令指定都市で少なくとも一万八千九百七十五人いることが明らかになっています。これは、各市が公表した待機児童数の六・八倍に上ります。潜在的待機児童は、香川県内にもたくさん存在しているはずです。ここを把握してこそ、抜本的対策が進められるのではないでしょうか。  本格的に潜在的待機児童の調査に踏み出しませんか。お答えください。  また、二〇一一年度の調査では、全国の公立保育所の八五・九%で非正規雇用の保育士を雇用し、そうした保育所では二人に一人が非正規雇用であるということも明らかになっています。アベノミクス新成長戦略では、育児経験豊富な主婦等を子育て支援員として投入する仕組みを進めており、さらなる保育士の処遇劣化が危惧されています。  保育士確保が深刻になる中、正規雇用と処遇改善は急務です。そのため、県として下支えを行う制度の創設が求められていると思いますが、知事の所見を問います。  次に、給食費の無償化についてお尋ねいたします。  子供の貧困率が一六・三%と過去最悪となり、子供六人に一人が貧困状態にあります。先日報道されたNHKクローズアップ現代の「おなかいっぱい食べたい」は衝撃でした。番組で調べた支援世帯では、一人当たりの一日の食費は三百二十九円、三百円にも満たない家庭が半数近くに上りました。食事の内容も、米や麺など主食のみというケースが多く、おかずなど栄養のバランスがとれた食事を一日に一度もとっていない家庭が八割以上に上ったのです。栄養不足で体重が減った、貧血で倒れたなど、子供たちの健康にまで影響が及んでいることが明らかになりました。  栃木県大田原市では、二年前から、子育て支援の一環として、小・中学校の給食費無料化に踏み切りました。結果的に、保護者の多くから経済的に助かったという声が寄せられています。ゲストで出演した新保幸男神奈川県立保健福祉大学教授は、「給食という仕組み、これは日本が誇るべき大切な財産だろうと思います。」と語った上で、「貧困の家庭の子供もそうじゃない家庭においても同じような状態で食事が食べられるという状態を用意することは、どの子にとってもプラスの影響があるだろうと思います。」と強調されました。  県内でも、夏休みなど長期の休みになるとまともに御飯を食べられない子供や、給食費の未納を気にする子供がいます。人口増加対策としても、出産、医療、保育、高等教育も含む教育にかかわる全ての費用は無料にするなど、大胆な経済支援策が急務です。  とりわけ、命を育む食を確保する面で、義務教育の給食費の無償化を市町とともに取り組む考えはないのか、教育長にお尋ねをいたします。  四点目に、医療・介護総合法と国保の都道府県単位化について問います。  さきの通常国会で成立が強行された医療・介護総合法の最大の狙いは、団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、ベッド減らしと介護施設抑制を本格化させるものです。  同法によって、県では新たに、病床機能報告制度と地域医療構想が義務づけられました。各医療機関は、医療機能の現状と方向性を選択して、現状と六年後の方向を報告することが義務づけられましたが、各医療機関が地域の協議に従わず勝手な報告ができないように、県がペナルティーを科すことも可能とされました。  県は、出された報告書を集約し、地域医療構想を策定し、医療計画に反映させることになりますが、国があらかじめガイドラインを示し、縛りをかけるものとなります。これでは完全な政府主導となり、急性期を中心に、県民の命を守ってきた病院ベッドの大幅な削減が進むことは明白です。しかも、今回の再編は医療・介護一体で進められ、入院のベッドを大幅に削っても介護が受け皿になったのでは元も子もないと、介護も一緒に抑制・削減を進めています。  今でも、退院を迫られ行き場がない、こういった方がたくさんいらっしゃいます。それなのに、知事は、平成二十一年から二十四年度までの四年で、病院、一般診療所のベッド数を六百五十九床も減らしたではありませんか。平成十三年度以降で三千二百六十床も県内のベッド数は減らされました。  知事、これまで香川県の発展に力を尽くしてきた高齢者たちに、最後は行き場もないような、これほどまでに非情な医療・介護の切り捨てをさらに押しつけるおつもりですか。お答えください。  国のお先棒を担いで各医療機関へのペナルティーも科していかれるおつもりかもお尋ねをいたします。  また、県民から、介護保険の負担軽減や特別養護老人ホームの増設が求められています。特別養護老人ホームの待機者は二〇一三年時点で七千八百十四人と、この四年間で倍増しています。増設していくおつもりはありませんか。お尋ねいたします。  現に入院している患者や介護施設の入所者から無理やりベッドを取り上げるわけにはいきません。しかし、それを必ずやらせるために国が来年に向けて法案化を進めている大きな柱が、国保の都道府県単位化です。都道府県ごとの医療費の数値目標を策定し、達成できなければ、後期高齢者医療への拠出金の上積みなどへのペナルティーが科せられる仕組みまで考えられています。まさに、やらんのなら痛い目に遭わせるぞと言っているようなものです。  こんな卑劣な国のやり方に、県民の命を守るべき知事は、激しく抗議をすべきではないのですか。国保の都道府県単位化に対する知事の考えもあわせてお答えください。  今でも国保料は、例えば年間所得二百万円の四人家族で一年に三十二万円と、限界を超えています。都道府県単位化すれば高位平準化で、ますます保険料は引き上がります。その上、既に協会けんぽも公法人となっているように、将来的には国保も都道府県の手から離れ、独自の機関に移行する可能性も高いとまで言われているではありませんか。このままでは、国保料の際限ない引き上げで、保険証を持つことすらできない、この状況が今以上に悪化するのではないのですか。  国保法に基づき、社会保障としての国保を貫くことが必要と考えますが、知事の所見を問います。  最後に、米価暴落への緊急対策についてお尋ねをいたします。  「ことしは天候不順により、収量も六割程度で、三等米がほとんど。加えて破壊的な米価で大変」、収穫の秋に、米価の大暴落が農家を奈落の底に突き落とし、米つくって飯食えねえと、全国的にも悲痛な叫び声が上がっています。  お隣の高知県の超早場米でも、取引価格が前年を四千円も下回る一俵一万二千円台、生産者が受け取る米価の目安となる概算金は前年より六十キロ当たり三千円前後下落し、史上最低の八千円ないし七千円台の銘柄が続出しています。全国平均の米の生産費一万六千円の半分以下という異常事態です。  JA香川県の概算金も、コシヒカリの一等米で一俵八千七百円と、去年より二二%減で、二千四百円も安くなっており、本格的生産に入った「おいでまい」も八千四百円と、去年より二千百円も下がっています。  ことしから米の直接支払交付金が半減され、米価変動補填交付金も事実上廃止されたもとで、これまでも生産費を下回っていた米価がさらに暴落し、米の再生産が根底から脅かされることになっています。とりわけ担い手層の経営への打撃は、はかり知れないものがあります。全国的にも、大規模稲作農家の方が、先の見通しが立たないと悩み自殺するという痛ましい事態が起きています。  知事、赤字で資材代も出ない、これでは米づくりを続けられないという悲痛な県民の声をどう受けとめていますか。国に対して、前年からの過剰米を市場から隔離し需給の安定を図ることや、米の直接支払交付金を前年並みに戻すことを求めるべきではありませんか。所見を問います。  また、県として、米価暴落に対する相談窓口の設置や、緊急の無利子融資制度、過去五年のJA概算金の平均額と一四年産米概算金の差額の半額を補助する米対策激減緩和補助金の創設など、早急に対応すべきと考えますが、いかがですか。知事に問い、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)白川議員の御質問にお答えいたします。  まず、私の政治姿勢のうち、香川県経済と雇用に関するお尋ねについてであります。  香川県経済について、御指摘の日銀短観においては、企業の景況感を示す業況判断指数、いわゆるDIが、製造業は改善する一方で、非製造業の景況感が悪化した結果、全産業で前回調査からDIがマイナス二からマイナス四となりましたが、十二月の予測はプラス五となっております。  また、先月発表された日本銀行高松支店の金融経済概況では、香川県内の景気は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が見られているが、基調的には緩やかな回復を続けているとされており、雇用・所得情勢については、労働需給は改善しており、雇用者所得も緩やかに持ち直しているとされております。さらに、昨日発表された日本銀行の金融経済月報においても、全国の傾向として同様の判断が示されております。  一方で、急激な円安の進行による原材料費や燃料価格の上昇などの景気への影響が懸念されますことから、引き続き、県内の景気動向について十分に注視していく必要があると考えております。  なお、六月議会における樫議員の御質問については、家計所得が百十四万円余減少しているとの御指摘でありましたが、これは平成十一年から平成二十一年までのデータであり、私が平成二十二年に就任してからのデータでないことから、任期中のデータとして、せとうち田園都市香川創造プランの施策評価についてお答えしたもので、その旨、再答弁でも申し上げたところであります。  いずれにいたしましても、私としては、国に先駆けて策定した香川県産業成長戦略に基づき、成長産業の育成・集積等に積極的に取り組み、県内企業の持続的成長を促進し、その成長が新たな雇用や賃金の増加につながる好循環が生まれるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、消費税率引き上げについてであります。  私といたしましては、現在の国と地方の危機的財政状況や、地方の社会保障の充実、安定的な地方の社会保障財源の確保の観点を含め、消費税率の引き上げは避けて通れないものと考えております。  また、今後の消費税率の引き上げについては、政府において経済状況等を総合的に勘案した上で結論が出されるものと理解していますが、私自身は、消費税率引き上げを延期した場合の我が国経済、社会に生ずる問題ははかりがたいものがあり、子供たちの将来のためにも、必要な対策を講じた上で引き上げていくべきものと考えております。  次に、沖縄県の新基地建設と小豆島からの砕石搬入についてであります。  沖縄県における新基地建設など米軍基地に関する問題は、国民全体にかかわるものであるとともに、国家の外交・防衛上の非常に重要な問題であり、高度な専門知識が必要であることから、政府においてさまざまな問題について十分に検討の上、責任を持って取り組むべきものと考えております。  また、砕石の使用先については、森林法等に基づく土石の採取申請の際に県等が求めることにはなっておらず、法令上の規制があるものではないと存じておりますが、県としては、みどり豊かでうるおいのある県土づくり条例等に基づき、土石採取跡地への緑化を開発者に義務づけるなど、瀬戸内海の景観保全等に努めているところであり、今後とも、瀬戸内海の環境を守るため、適正に指導を行ってまいりたいと考えております。  次は、女性が輝く香川のうち、今後の方針等についてであります。  国においては、昨年六月に閣議決定した日本再興戦略において、女性の活躍を我が国の成長戦略の中核に位置づけ、また、先月行われた内閣改造では、女性活躍担当大臣を初めて設け、女性が活躍できる社会の実現に重点的に取り組む考えを打ち出しております。政府のこの取り組みは、人口減少に歯どめをかけ、真に豊かな生活を実現していくために、地方においても非常に重要な取り組みと考えられ、本県においても、地域の実情に合った施策を積極的に進めてまいる所存であります。  具体的には、女性が輝く香川は、男性だけでなく女性が個性と能力を十分に発揮し活躍できる香川であり、その実現のためには、多様なライフスタイルを選択できること、何より家庭と仕事の両立が十分に図られることが必要であると考えており、子育てや就労などさまざまな面での環境整備や意識の醸成に取り組んでまいります。  また、女性が輝く香川の実現に向けて、両性の本質的平等を定めた日本国憲法及び政治、経済、社会、文化、その他あらゆる分野における性差別の撤廃を目指した女子差別撤廃条約は、さまざまな取り組みの基本であるとともに、県の次期かがわ男女共同参画プランにも通じるものと考えており、近く実施する県民意識調査や男女共同参画審議会など、県民、県議会の御意見を踏まえながら、次期プランの策定に取り組んでまいります。  次は、人口減少対策と子育て支援策のうち、子育て世代が安心して働ける環境づくり等についてであります。  若者が結婚し、安心して子供を生み育てられる環境づくりには、安定した雇用の確保とワーク・ライフ・バランスの推進など、雇用環境の整備が重要であると考えております。  このため、まず、安定した雇用の確保に向け、県内経済団体に対して、本年六月と九月に、正規雇用の確保などを労働局とともに要請し、また、若者の正規雇用につなげるため、就職支援セミナーや企業見学会などを開催、本年九月からは、新たにハローワークの正社員求人情報も活用して、正規雇用の拡大を進めるほか、ミスマッチの解消や職業能力の開発にも取り組んでおります。  さらに、育児休業制度の規定整備や、仕事と子育ての両立を図る一般事業主行動計画の策定を働きかけるとともに、優良企業の表彰など、ワーク・ライフ・バランスを推進するほか、保護者の就業形態の多様化等に対応しつつ、質の高い保育を確保できるよう、優秀な保育士の確保やその資質向上など、認可保育所の支援にも取り組んでまいります。  子供の医療費については、本県の子育て施策と医療関係施策全体の中で、さまざまな問題について検討しましたが、現行の乳幼児医療費助成制度を継続した上で、各市町が地域ごとのニーズに応じた事業を実施できるようにするほうが、子育て施策全体として効果が上がるのではないかと考え、本県独自の支援制度かがわ健やか子ども基金事業を創設したところであります。  いわゆる潜在的待機児童については、統一的な定義がなく、把握は困難ですが、各市町が来年四月に予定されている子ども・子育て支援新制度に向け、保育所等の利用に係るニーズ調査に基づく教育・保育の量の見込み等を検討しており、これにより、潜在的待機児童も含めた教育・保育の提供体制の確保方策が講じられるものと考えております。  また、私立保育所の保育士を対象に、平成二十五年度から保育士等処遇改善臨時特例事業を実施しており、来年度からは、新制度において、私立保育所への運営補助金が保育士のキャリア等に応じて加算される予定であることから、引き続き、一定の処遇改善が図られるとともに、正規雇用などの安定的な雇用にもつながるものと考えております。  その他の御質問につきましては、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)羽白総務部長。    (総務部長羽白 淳君登壇) ◯総務部長(羽白 淳君)白川議員の、女性が輝く香川についての御質問のうち、所得税法第五十六条についてお答えいたします。  所得税法第五十六条においては、居住者と生計を一にする親族がその居住者の営む事業所得等を生ずべき事業に従事し、当該事業から対価の支払いを受けた場合には、その対価の額は事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入しないものとされております。  一方で、同条の例外として、同法第五十七条の規定で、一定の帳簿を備えて税務署長の承認を受けた青色申告の場合には、配偶者その他の親族である青色事業専従者の給与について、その労務の対価として相当と認められる金額を必要経費に算入することが認められているところであり、要件を満たしていない白色申告の場合には、事業専従者が配偶者の場合にあっては八十六万円、配偶者以外の場合にあっては五十万円を上限として、必要経費に算入できるとされているところであります。これは、家族構成員の間で所得を分割して税負担の軽減を図ることを防止するとともに、個人企業と法人企業の税の負担の公平を図ることを目的とした制度であるとされております。  いずれにいたしましても、国税である所得税については、国の所管事項であることから、国において適切に検討がなされるべきものであると考えております。  なお、配偶者その他の親族である事業専従者が受ける対価に係る税制については、性別に基づく制度ではなく、課税の公平を図るためにどのような仕組みをとるかという観点からの制度であると理解しております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)白川議員の、高齢者の医療・介護対策と国民健康保険制度についての御質問にお答えいたします。  まず、地域医療構想等についてであります。  地域医療構想については、現在、国において、都道府県向けガイドラインの検討がなされているところであり、地域の医療需要の将来推計や病床機能報告制度によるデータ等を活用して、平成三十七年時点での目指すべき姿を定めるものとされています。  県といたしましては、今後、国から示されるガイドラインを踏まえ、医師会などの関係団体や、市町、県医療政策アドバイザー等の有識者などの意見を十分に伺って地域医療構想の策定を行い、各二次医療圏等にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進し、必要な医療の確保に努めてまいりたいと考えております。  地域医療構想を実現していくに当たっては、法律上、まずは医療関係者や医療保険者等の関係者による協議の場を設置し、医療機関相互の協議により推進していくこととされています。法律には、過剰な医療機能に転換する場合における転換中止要請など、協議が調わない場合に知事が講ずることのできる措置が規定されておりますが、県としては、可能な限り医療機関相互の協議による自主的な取り組みを基本に、地域医療構想を推進してまいりたいと考えております。  次に、特別養護老人ホームの整備についてであります。  現在、平成二十七年度から三カ年の第六期高齢者保健福祉計画の策定に向けた作業を進めており、この計画においては、在宅サービスの充実を図るとともに、在宅生活が困難となった要介護者も、住みなれた地域で施設に入所できるよう、特別養護老人ホーム等の新たな整備目標を設定する必要があると考えております。これまでのところ、県では、地域の介護サービス基盤の状況や要介護認定者数の推移、介護サービスの見込み量、加えて、これらを踏まえた介護サービス基盤整備の考え方等について、市町からのヒアリングを行っており、今後、各市町の整備量をもとに、県全体の整備量の案を取りまとめたいと考えております。  県といたしましては、県民のニーズを的確に把握した上で、市町と十分に協議・調整を行うとともに、県議会で御議論をいただきながら、真に必要な方が住みなれた地域の中で安心して施設に入所できるよう、第六期高齢者保健福祉計画において特別養護老人ホーム等の整備目標を設定し、計画的な整備を進めてまいります。  次に、国民健康保険制度についてであります。  国民健康保険の見直しについては、昨年十二月に施行された持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律において、財政運営を初めとして都道府県が担うことを基本としつつ、都道府県と市町村において適切に役割を分担することとされており、そのために必要な措置を講ずるための法律案を来年の通常国会に提出することを目指すものとされております。  国保の都道府県単位化については、抜本的な財政基盤の強化を通じて財政上の構造的な問題を解決することが前提条件であり、その上で、都道府県と市町村が適切に役割分担を行い、市町村のインセンティブが働く制度とすべきであると考えております。また、国においては、将来的な医療費の増加に対応するための公費負担のあり方を検討するとともに、被用者保険も含めた全ての医療保険制度の全国レベルでの一元化に向けた道筋を示すべきであります。  県といたしましては、国保制度が国民皆保険の基盤として重要な役割を果たしているとの認識のもと、今後、市町と取り組むべき課題等を整理するとともに、持続可能な社会保障制度となるよう、全国知事会と緊密に連携して、国との協議を十分に行ってまいりたいと考えております。  なお、都道府県ごとの医療費の数値目標の設定については、現在、社会保障制度改革推進本部の専門調査会等において検討されている段階であり、今後の議論を注視してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)松尾農政水産部長。    (農政水産部長松尾恭成君登壇) ◯農政水産部長(松尾恭成君)白川議員の、米価下落への対応についての御質問にお答えいたします。  全国と同様、本県においても、平成二十六年産米の概算金が大幅に引き下げられたことから、水稲生産者の収入の減少や今後の農業経営への影響、また、これらに伴う生産者の次年度以降の作付意欲の低下が懸念されるところであります。  米価が下落傾向にある大きな要因としては、全国的に消費者の米離れが進み、主食用米の需要が減少している中で、供給過剰になっていることによるものと考えられることから、その需給ギャップの解消を図るため、国においては、主食用米からの転換について、従来の麦、大豆等に加えて、飼料用米への転換を打ち出したところであります。  県といたしましては、主食用米から需要のある飼料用米や園芸作物への転換を促進するため、飼料メーカーや生産者等で構成する香川県飼料用米流通円滑化推進会議を設置し、流通体制の整備に向けた検討を進めるとともに、水田を活用した新たな園芸作物の導入に向けた生産技術の確立や米の消費拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
     本年産の米価の下落への対応については、先般、県内の稲作農家からも現状や御意見をお聞きしたところであり、県としては、国による米価変動に対する減収補填措置や、日本政策金融公庫の農林漁業セーフティネット資金による低利融資の活用について、生産者への周知を徹底するとともに、国に対し、米の直接支払交付金の生産者への早期交付を働きかけるなど、本年の米価下落が水稲生産者の次年度以降の作付意欲の減退につながらないよう対応してまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)白川議員の御質問のうち、給食費の無償化についてお答えいたします。  学校給食は、子供たちが適切な栄養摂取による健康の保持増進を図るだけでなく、食事に対する正しい理解や望ましい食習慣を養う上で大変重要なものと考えております。  その学校給食に係る経費については、学校給食法により、調理施設等の整備費や人件費等は小・中学校の設置者が負担し、食材費等は保護者の方が負担することとされており、また、負担すべき給食費については、経済的理由により就学が困難と認められる児童生徒の保護者の方々に対しては、教育扶助や就学援助の制度も設けられているところであります。  このようなことから、御提案のような義務教育における給食費の無償化について、県として取り組むことは考えておりませんので、御理解くださりますようお願いいたします。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)再質問の通告がありますので、発言を許可いたします。  白川容子さん。    (白川容子君登壇、拍手) ◯白川容子君 一点に絞り、医療・介護総合法について、とりわけベッド数の削減について、知事に再質問をいたします。  私は、これまでも減らし続けてきたベッド数、医療・介護総合法のもとでますます切り捨てていくこの方向にストップをと質問をいたしました。この十年余りで三千二百六十床ものベッドを減らして、これからも知事の言う病院間の自主的な取り組みによって、さらにベッドが減らされていくわけです。それでは、その先、行き場もない患者さんたちに一体どこへ行けとおっしゃるのか、在宅に戻る条件もない患者の行く先はどこなのか、知事から明確に御答弁ください。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)再質問に対する理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)白川議員の再質問にお答えいたします。  この高齢者の医療介護対策と国民健康保険制度のうち地域医療等構想につきましては、現在、国においてガイドラインの検討がなされているところでありますけれども、平成三十七年時点での目指すべき姿を定めるものとされています。  県といたしましては、今後、国から示されるガイドラインを踏まえ、この各二次医療圏等にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化、連携を適切に推進し、必要な医療の確保に努めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(黒島 啓君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十月十日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)本日は、これをもって散会いたします。                            午後三時九分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....